
映画に使われたクラシック音楽の話を続けます。
よくタイトルは聞くけれど、
内容が(個人的に)よくわからない
映画その2、「2001年宇宙の旅」。
私、映画を見る前に、小説版を読んだのですが、
ラストの展開が訳わからず、
映画を見てもよくわからず…。
(ボーマン船長は結局どうなったんだ?)
でも特に冒頭の映像と、音楽の組み合わせは、
とても印象的でした。
「2001年宇宙の旅」予告編。曲は00:15くらいから。
今でも、宇宙モノのドキュメンタリー番組の
オープニングなんかでよく耳にするこの音楽。
映像の雰囲気とベストマッチですが、
映画オリジナルのサントラではありません。
曲の正体は、20世紀前半を代表する(した)作曲家、
リヒャルト・シュトラウスの手による
交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の、
冒頭のファンファーレ部分。

リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)
「シュトラウス」というのはドイツ語圏に多い姓で、
元々は「ダチョウ」という意味。
意地悪な早口言葉みたいなタイトルですが、
私、いまだに自信を持って暗記で
発音することができません…。
哲学者ニーチェの、同じタイトルの哲学研究書に
インスピレーションを得て作曲されたと
言われていますが、
ニーチェの小難しい本(←失礼)とタイトルとは違って、
華やかで、美しく楽しい曲になっています。
いまの、特にハリウッド映画では、
BGMにフルオーケストラの演奏を使用することが
よくありますが(オリジナル曲かはさておき)、
その嚆矢となったのが、この、「2001年宇宙の旅」と
「ツァラトゥストラはかく語りき」の組み合わせ。
前例がなかったせいか、
音源の使用申請を受けたレコード会社は
演奏者名(カラヤン指揮、ウィーンフィル演奏)を
出さないことを条件に許可を出したそうです。
結果、
映画が注目を集めても他の会社から出ていた
他の演奏者のレコードの方が売れてしまい、
音源を提供したら大損害を被ったとか。
(と、何かのCDブックレットで読んだ。)
広告的な観点で考えると、
何とももったいない話ですね。
ちなみに、インパクトのある曲のため
CMにもよく利用されています。
トヨタ Camry アメリカでのCM(2012年)
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