2012年4月18日水曜日

どこかできいてるクラシック③






映画に使われたクラシック音楽の話を続けます。



よくタイトルは聞くけれど、

内容が(個人的に)よくわからない

映画その2、「2001年宇宙の旅」。



私、映画を見る前に、小説版を読んだのですが、

ラストの展開が訳わからず、

映画を見てもよくわからず…。


(ボーマン船長は結局どうなったんだ?)



でも特に冒頭の映像と、音楽の組み合わせは、

とても印象的でした。


「2001年宇宙の旅」予告編。曲は00:15くらいから。


今でも、宇宙モノのドキュメンタリー番組の

オープニングなんかでよく耳にするこの音楽。


映像の雰囲気とベストマッチですが、

映画オリジナルのサントラではありません。



曲の正体は、20世紀前半を代表する(した)作曲家、

リヒャルト・シュトラウスの手による

交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」の、

冒頭のファンファーレ部分。















リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)

「シュトラウス」というのはドイツ語圏に多い姓で、

元々は「ダチョウ」という意味。



意地悪な早口言葉みたいなタイトルですが、

私、いまだに自信を持って暗記で

発音することができません…。


哲学者ニーチェの、同じタイトルの哲学研究書に

インスピレーションを得て作曲されたと

言われていますが、


ニーチェの小難しい本(←失礼)とタイトルとは違って、

華やかで、美しく楽しい曲になっています。



いまの、特にハリウッド映画では、

BGMにフルオーケストラの演奏を使用することが

よくありますが(オリジナル曲かはさておき)


その嚆矢となったのが、この、「2001年宇宙の旅」と

「ツァラトゥストラはかく語りき」の組み合わせ。



前例がなかったせいか、

音源の使用申請を受けたレコード会社は

演奏者名(カラヤン指揮、ウィーンフィル演奏)

出さないことを条件に許可を出したそうです。


結果、

映画が注目を集めても他の会社から出ていた

他の演奏者のレコードの方が売れてしまい、


音源を提供したら大損害を被ったとか。

(と、何かのCDブックレットで読んだ。)



広告的な観点で考えると、

何とももったいない話ですね。



ちなみに、インパクトのある曲のため

CMにもよく利用されています。


トヨタ Camry アメリカでのCM(2012年)


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