
テレビや雑誌で、
「この映画は見ておくべき!」なんて特集があると
ついついチェックしてしまうのですが、
(権威やお墨付きに弱い)
そういう特集に入る作品の半分くらいは、
見ても個人的にはよく分かりません…。
そんな作品の最たる例が、
フランシス・コッポラ監督の「地獄の黙示録」。
TSUTAYAで借りてきて、
さぁどんな映像が出てくるんだ!と
ワクワク見始めたのはいいものの、
(実際、印象的なシーンが多い)
途中から、平和ボケしたアタマの
理解の範疇を超えてくる。
まあ映画の本質的な話は他に譲るとして…。
(正直、あまり詳しくない…。)
この作品の印象的な映像を、
より印象深くしているのが、たくさんのBGM。
中でも最も有名(だと自分は思っている)なのが、
かっちょいいヘリコプター部隊の映像と
かっちょいい曲の組み合わせ。
(↑ジャストのシーンが埋め込み禁止なので予告編です。)
整然と並んだヘリコプター編隊が川を越え森を越え、
ベトコンが潜む村を機関銃でなぎ払い(ちょっとグロい)、
戦闘機から放たれたナパーム弾がジャングルを焼き払う。
そして、戦場のすぐ近くでサーフィンをする
(というか波乗り場所のために敵の基地を攻撃をしている)
マッチョでクレイジーなキルゴア中佐(←ヘリ部隊の隊長)。
戦争映画の虐殺シーンなのに、
不謹慎にも見る度に
「メチャクチャかっこいい!」と思ってしまいます。
この映画、このシーンだけ好きです。
で、やっと本題に入りますが、
このシーンでかかっているのが、
・19世紀にドイツで活躍したワーグナーの手による、
・舞台祝祭劇「ニーベルングの指輪」の中の
・第1夜「ワルキューレ」の中の
・「ワルキューレの騎行」という曲。
リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)
今でいう「買い物依存症」の兆候があったらしい。
長ったらしいタイトルですが、
一般には「ワルキューレ騎行」で通じています。
「ニーベルングの指輪」というのは
ゲルマン人やヴァイキングの神話を下敷きに作られた楽劇で、
ひと演目を通すのに約15時間(!)かかると言われる超大作。
無論、一日では全てを上演できず、
一通りやるのに4日間かかるので、
「第1夜」(第1幕ではない)という
プログラム分けになると。
「ワルキューレ」(英語読みでは「ヴァルキリー」)
とは、北欧の神話に出てくる女性の姿をした神の使いで、
勇敢に戦って死んだ英雄を
天国(いわゆる「ヴァルハラ」)に迎える存在。
タイトルとモチーフに合った勇敢な曲想ですね。
↓オーケストラによる全篇の演奏
コッポラ監督の父親はフルート奏者だったそうですが、
その影響なのか、映画史に残る映像と音楽の組み合わせだと
(個人的に)思います。
またCMでは、最近レッドブルに
使われているのを見かけました。
(遺産を全て愛人に貢いだおじいさんを叩きのめすために、
レッドブルを飲んで翼を生やしたおばあさんが、
天国に殴り込みんでいく、という内容のもの。)
ところで、イギリスでの調査によると、
「ワルキューレ騎行」は「ドライブ中に聞くと危険な曲」
ランキングでナンバー1だそうです。
まだヴァルハラには行きたくないなぁ。
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