2012年4月17日火曜日

どこかできいてるクラシック②






テレビや雑誌で、

「この映画は見ておくべき!」なんて特集があると

ついついチェックしてしまうのですが、

(権威やお墨付きに弱い)


そういう特集に入る作品の半分くらいは、

見ても個人的にはよく分かりません…。



そんな作品の最たる例が、

フランシス・コッポラ監督の「地獄の黙示録」。


TSUTAYAで借りてきて、

さぁどんな映像が出てくるんだ!と

ワクワク見始めたのはいいものの、


(実際、印象的なシーンが多い)


途中から、平和ボケしたアタマの

理解の範疇を超えてくる。



まあ映画の本質的な話は他に譲るとして…。

(正直、あまり詳しくない…。)



この作品の印象的な映像を、

より印象深くしているのが、たくさんのBGM。


中でも最も有名(だと自分は思っている)なのが、

かっちょいいヘリコプター部隊の映像と

かっちょいい曲の組み合わせ。


(↑ジャストのシーンが埋め込み禁止なので予告編です。)



整然と並んだヘリコプター編隊が川を越え森を越え、


ベトコンが潜む村を機関銃でなぎ払い(ちょっとグロい)


戦闘機から放たれたナパーム弾がジャングルを焼き払う。


そして、戦場のすぐ近くでサーフィンをする

(というか波乗り場所のために敵の基地を攻撃をしている)

マッチョでクレイジーなキルゴア中佐(←ヘリ部隊の隊長)




戦争映画の虐殺シーンなのに、

不謹慎にも見る度に

「メチャクチャかっこいい!」と思ってしまいます。



この映画、このシーンだけ好きです。




で、やっと本題に入りますが、



このシーンでかかっているのが、


・19世紀にドイツで活躍したワーグナーの手による、

・舞台祝祭劇「ニーベルングの指輪」の中の

・第1夜「ワルキューレ」の中の

・「ワルキューレの騎行」という曲。
























リヒャルト・ワーグナー(1813-1883)

今でいう「買い物依存症」の兆候があったらしい。



長ったらしいタイトルですが、

一般には「ワルキューレ騎行」で通じています。



「ニーベルングの指輪」というのは

ゲルマン人やヴァイキングの神話を下敷きに作られた楽劇で、

ひと演目を通すのに約15時間(!)かかると言われる超大作。



無論、一日では全てを上演できず、

一通りやるのに4日間かかるので、

「第1夜」(第1幕ではない)という

プログラム分けになると。



「ワルキューレ」(英語読みでは「ヴァルキリー」)

とは、北欧の神話に出てくる女性の姿をした神の使いで、


勇敢に戦って死んだ英雄を

天国(いわゆる「ヴァルハラ」)に迎える存在。


タイトルとモチーフに合った勇敢な曲想ですね。


↓オーケストラによる全篇の演奏


コッポラ監督の父親はフルート奏者だったそうですが、

その影響なのか、映画史に残る映像と音楽の組み合わせだと

(個人的に)思います。



またCMでは、最近レッドブルに

使われているのを見かけました。


(遺産を全て愛人に貢いだおじいさんを叩きのめすために、

レッドブルを飲んで翼を生やしたおばあさんが、

天国に殴り込みんでいく、という内容のもの。)




ところで、イギリスでの調査によると、

「ワルキューレ騎行」は「ドライブ中に聞くと危険な曲」

ランキングでナンバー1だそうです。



まだヴァルハラには行きたくないなぁ。


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