




彫刻作品には鉄、木、石などいろんな素材が使われますが。
この作家さんが彫るものは「本」。
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自ら収集した古書や貴重な本を素材に“彫る”。
筆者の言葉がつまったものを、壊してまた再生する。
そうすることで「読む」以外の新しい関係性を探っているようです。
もしくは、文字につまった「意思」を解放しているようにも見えます。
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パーツごとに切り取られた本と文字を見ていると、
そのなかにつまっていたたくさんの情報、人に伝えようとする思いの
「質量」が感じられて、とても興味深い体験でした。
全体的に色が極限に抑えられ、
「言葉」と「作者」と「見る者」の関係性がより際立っていたと思います。
んが、
個人的にはなんか一筋でも色があったらより面白い気もしました。
そんなことしたら、まあ、だめなんでしょうけど。
ニューヨークタイムズ紙に掲載された
今回の地震を描いた水木しげるさんの絵。
どの写真や映像見るよりも、衝撃的で現実的に感じました。
こんなことが起こってなければいいのに、と願っていた自分の甘さを
平手打ちされた感覚。
そして、水木しげるにオファーした
ニューヨークタイムズのアートディレクター。
おそるべき造詣の深さです。
…
こんな春が来るとは考えてもいなかった去年暮れ、
『スパッタリング』という技法を使った絵画作品の展示へ行きました。
スパッタリング。
筆を振ったしぶきで絵を描くものかなと予想してたけど
この作家さんは、絵の具をつけた筆を指ではじいて、
後でサンドペーパーで削って平にする…を
繰り返して描きあげているそうです。
すごい作業量。
だから見た事のない風合いがでるんですね。
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その独特な色層は、例えるなら「絨毯」。
しかも応接間に敷かれてるような、しっかり目の詰まった高いヤツ。
あれを連想する。とにかく不思議。
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今回はフィンランドに取材へ行き
インスピレーションを受けてきたそうです。
たしかに寒い国の温かいお部屋を見ているよう。
『スパッタリング』の技法もはまっています。
洋室の壁紙のような背景とか、
おもちゃや外人の子供など登場人物が一見かわいらしくて好きですが
なんともいえないシュールさも漂います。
ちょっとこわい。
でも欲を言ってしまうと、
このシュールさ、不思議さがわざとらしい。
たぶんこうしたら不思議な世界観にみえるボタン知ってるんだろうなぁ。
実は前回も展示を見ていて、そのときちょうどご本人がいました。
知人なのか関係者なのか初老のご夫婦とお話ししいて
モチーフはどうしてるのかとたずねられていました。
それはわたしも気になっていたので(外人の子供とかだったし)
聞き耳をたてていると(行儀悪)
予想もしていない答えが帰ってきました。
「気になったポストカードや写真を見て描いている」
・・・・・・・・・・浅っ!!
カルチャークラブのおばはんか! あ、失礼でしたね。
とにかくそれを聞いて、大がっかりで帰りました。
いくら作家でもコンセプトの説明って大事だな…改めて実感。
それを聞く前と後ではぜんぜん違う印象だわー
今回はちゃんと取材に行ったお陰か、ぺらぺらではないように思えましたが
でも、わざとらしさを感じるのはなんでだろう。。
もしかしたら、よくある世界観をぎりぎりこの技法でごまかしてるのかしら…
とにかく、しっくりこないのにまた見に来てしまったということは
この表現に魅力を感じてるんだろうな。
なんかくやしい。
画像ソースhttp://ex-chamber.seesaa.net/article/173202582.html