2012年7月26日木曜日

『平清盛③』平治のLAN


※文科省非公認
三度の飯よりも歴史が好きな、本の虫ならぬ歴史の虫。
勝手な解釈で、歴史をカジュアルにお届けします。
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それでは、前回の「保元のLAN」に続き、
第二弾「平治のLAN」をお届けします。

↓↓↓

かつての同士が敵に。平氏VS源氏、決闘へ!
「平治のLAN」


簡単に言いますと、
「保元のLAN」で勝ち組になった“与党”一派が、
内部分裂を起こした乱なのです。

しかも、前回の戦さからたったの3年間。
こんな短期間で分裂することに。

(どこかの政党と同じような気も・・・)

この乱の原因は「源氏と平氏の扱いが不平等だったから」、
ということがよく言われるのですが、
それは「源氏vs平氏」の対立構造をおもしろくしたいだけ。

(※確かに、不公平な待遇があったのは事実だそうです)

いくら昔のこととは言え、
そんな単純な理由だけでこんなに大きな戦さはしませんよね。
実際はもっと複雑な原因が絡み合っているのだそうです。

(ボクの知識では解説できそうもないので、ここでは触れません!)

ただ、間違いなく原因のひとつとなった人がこちら。
当代きっての大学者と言われた“信西(入道)”。
「保元の乱」で勝ち組になった後白河天皇の側近です。

頭脳も政治手腕もキレキレの学者であったので、
思うがままやりたい放題、政治をを仕切っていたのです。

余談ですが、
平清盛は彼から厚い待遇を受けていたこともあり、
力をつけていくわけなのですが。


しかし!

いつの時代もそうですが、
いくら世の中のためを思っていたとしても、
思い通りにやっている人のことを
快く思わない大人がいるものです。
(うまくやっていたらいたほど、反発は高まるもの)

その一人が、「藤原信頼」。

(見るからに悪そう〜。塚地が見事にハマってた!)

この方は、どうにかして“信西”を排除したいわけです。

そこで、

「清盛(平氏)ばっかりえこひいきしやがって、あの信西め!」

と言ったかどうかは知りませんが、
待遇や役職に不満を持っていた
源義朝(玉木宏)率いる源氏と手を組みます。

次第に、反信西一派は勢力を強め、
良からぬことを企てていくのです。

ちなみに・・・
歴史上、このように下心が見える展開になった場合、
必ず失敗に終わるというのがほとんどです。
やはり、ピュアに生きないといけませんよね。

(それはそうとして)


ある日の深夜、源義朝(玉木宏)をはじめとする反信西派は、
信西の屋敷を襲撃するという軍事クーデターを起こします。

その五日後、追いつめられた信西は自害し、
このクーデターは幕を閉じます。
国のためを思い孤軍奮闘したこの大天才の首は、
まるで悪党のように京都の街にさらされたそうです。


そして、ここで、ついに平清盛の登場です!
(ヒーローは少し遅れて出てくるものです)

清盛は、信西にも、反信西派の藤原信頼(塚地)にも、
自分の娘を嫁がせていたこともあり、
ずっと中立の立場をとってきました。

このクーデターが発生した時も熊野詣でに参拝中であり、
紀伊国(現在の和歌山県)でこの事件を耳にします。

(ドラマでは、友であった源義朝(玉木)に裏切られたと嘆きます)

さらに、清盛にとってショックだったのが、
自分をここまで厚く待遇してくれた信西が殺されたことです。
恩人のような関係であったから、かなり動揺したはずです。

当然、京都へと急いで引き返します。
そのまま一気に攻め滅ぼすのかと思いきや・・・

そうじゃないんです!!

清盛はまた政権奪取を狙う二条天皇派と組んで、
「クーデター返し」を企てます。

どういうことかと言いますと、

清盛は調子に乗りまくっている藤原信頼(塚地)に、
あえて一度忠誠を誓います。


一方、
藤原信頼と源氏(源義朝)にしてみると、
これはホッとひと安心なわけです。
武力・経済力ともに圧倒的な力を持っていたわけですから、
平氏がどうでるのか、気になっていたのです。


でも、なぜ、
清盛はすぐに攻めずに一度忠誠を誓っておくなどという、
面倒なことをしたのでしょうか。

それは、京都に引き返してきてすぐに決戦した場合、
藤原信頼&源氏側に天皇をとられているため、
彼らに刃を向けることは、天皇にも刃を向けることにもなり、
賊軍という立場になってしまうからです。

(このあたり、イメージと違ってしたたかな一面をみせます)


そしてある日、清盛は機会を見計らって、
後白河上皇(前の天皇)と二条天皇を連れ出し、
自らの拠点としていた六波羅にかくまいます。

こうすることで、平氏は一発逆転、官軍となり、
今度は逆に賊軍になった藤原信頼と源氏を、
正々堂々と討伐できるわけなのです。

結果は言うまでもなく、平氏の勝利に終わります。
圧倒的な武力を持っていた平氏の前に、
源氏は当分の間、歴史の表舞台から姿を消すことになるのです。



というわけで、

このように「平治の乱」も
あっぱれに解決させた平清盛ですが、
豪快なイメージとは裏腹に頭脳プレイヤーとしても、
源氏の一枚上手をいっていたわけなのです。

武力・経済力・政治力を兼ね備えた平氏一族。
それを束ねるカリスマリーダー清盛を中心に、
平氏はかつてない武士の繁栄を築き上げていくのです。

(平氏の躍進がはじまります。平清盛は武士として初めて公卿の地位を取得)


さあ、大河ドラマ「平清盛」もいよいよ終盤に!
これからは、マツケンのスキンヘッドスタイルも見所です!

とにかく、何でもいいから観てほしい!
オリンピックはじまるけど、これ以上視聴率落ちないで~!

という願いを込めて、

今回はおしまいおしまい、ベンベン!

(平家物語を語る、琵琶法師風にシメ)

2012年7月12日木曜日

どこかできいてるクラシック⑦










私、休日は趣味で音楽をしているのですが、
(アマチュアの、下の下ぐらいのレベル…)

その一環で、楽器の先生にふたり、
それぞれ別の時期に、ついたことがあります。

ふたりとも、音大(ひとりは芸大)を出たあと、
ドイツに数年留学して、


で、日本に戻ってきてすぐに結婚したり
恋人の家に転がり込んだりしているのですが、


理由を聞いたら、どちらも、
「ひとりでは食っていけなかったから」
とのこと。


日本はクラシック音楽の仕事が少ないので、
コンクールで賞とって有名にでもならない限り
なかなか生計を立てられないそうで。

境遇的には、夢見るインディーズロッカー達と同じ。

大変ですね、先生…。楽器うまいのに。


芸術関係の学校はお金が
超かかると聞いたけど…

大金使ってヒモになるのか…

と思うと、音楽ファンとしては何だか複雑です。

※今はおふたりとも、一線で活躍されています。



さて、数多いる音楽家の中には、
「食えないのはマジ勘弁」といって
別の仕事で稼ぎながら、

音楽活動をして(つまりアマチュア)
後世に名を残した人がいます。


アメリカの作曲家、チャールズ・アイブス。















チャールズ・アイブス(1874-1954)

アイビーリーグの名門、イェール大学の出身で、
自分で保険会社「Ives & Myrick」を興して成功しています。

(Quacquarelli Symonds社の世界大学ランキングによれば、
イェール大は、ケンブリッジ、ハーバード、MITに次ぐ世界4位だそうです。
ちなみに東大は25位。霞ヶ関涙目…)


アイブスの会社のオフィス(ニューヨーク)


社会的には「勝ち組」だったわけですが、
音楽界では「負け組」どころか「プロ」という
土俵にさえあがらなかったアイブス。

そのせいなのか、一般的な音楽教育を受けた人には
思いつかないような、斬新な音楽を作り続けます。


例えば、オーケストラが、右側と左側で
全く別の曲を同時にやっていたり…

わざと調律のあってないピアノを並べて
ガムランのような音響を実現してみたり…

文字で書いてもよく分からないと思うんですけど、
実際演奏を聞いてみてもよく分からないと思います。
(体験談)

もしかして、自分でもよく分かんないから、
音楽を本業にしなかったんだろうか…。


でも、歴史や文化的蓄積という点で
ヨーロッパに劣等感のあったアメリカでは、

アメリカ発のオリジナリティを持った
アイブスの作品は大事にされていて、

アメリカ人が大好きな戦争映画
(たぶん人種や所得を超えて「俺ってアメリカ人」と思えるから)
に使われたりしています。


太平洋戦争のガダルカナル島の戦いを
描いた「シンレッドライン」(1998年)…

…で使われた、
「答えのない質問(The Unanswered Question)」。



時代的には現代音楽に入るのですが、
どこかただよう懐かしい感じが魅力です。

そういえばアメリカ人って、
懐かしい感じのするものが好きな人多いですよね。
カントリーミュージックなんて、専門のラジオ局が
あるくらいだし。



2012年7月11日水曜日

どこかできいてるクラシック⑥










いよいよ暑くなってきましたね。

社会人になりたての頃は、
「ポッコリ三段腹には絶対ならないぞ!」
と三島由紀夫的な誓い胸にしていたはずなのに、

いまではポッコリどころかボッコリ山脈腹で
夏の暑さが身にこたえます。

プリーズ・カム・バック・マイ自制心。

もう少しスマートになれば、夏の節電にも
もっとスマートに貢献できるのに。



…そんな些末なことは置いといて、

音楽家の中には、私の節制のなさなんか
可愛いく思えるほど、ズブズブと業に沈んで
身を滅ぼしちゃった方が何人かいらっしゃいます。

その一例が、ムソルグスキー↓



















モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)
何となく太宰治に似ている。生き様が。

普通、肖像画の場合、モデルが喜ぶよう
見栄えを整えて描くものですが、

この絵の人、鼻が赤い…。
目がトロンとしてる…。
髪もヒゲもボサボサ…。
脂ぎってる…。

この絵は、本人が亡くなる前後に描かれたそうなので、
クレームのつけようがなかったのかもしれませんが、
とにかくこの人のアルコール中毒は有名だったようです。


そりゃあ、地主だった実家が没落するわ、
勤め先で「余剰人員」と言われて給料カットされるわ、
仕舞いにはリストラされるわ、
相当ストレスフルな人生を送ったそうなので、

まあ、仕方ない。ドンマイ、モデスト。


アル中のせいか狂気じみたところがあったらしく、
作品にも狂気じみた賑やかなもの多いのですが、
例外的にキャッチーな代表作が「展覧会の絵」という組曲。



冒頭のラッパのフレーズは、知っている
方も多いんじゃないでしょうか。

友人の展覧会にインスピレーションを得て
作られたので、組曲を構成する曲には
「小人」や「古城」「卵の殻をつけた雛の踊り」など
絵画的なタイトルがついています。

(ちなみに、ムソルグスキーが作曲したオリジナルはピアノ版で、
オーケストラ用にアレンジしたのはフランスのラヴェルという作曲家です。
どうも日本ではオーケストラ版の方が有名なようですが、ドンマイ、モデスト。)


そして、テレビ朝日の「ナニコレ珍百景」という番組で、
珍妙な景色が現れる際に流れるのが、
最終曲の「キエフの大門」という曲。

(↓この動画の4:15あたりから。)



壮麗な曲なのに、聞いてると、段々笑いが
こみ上げてくるのは私だけでしょうか…。


今でこそ、「偉大な作曲家の偉大な曲」という
扱いをされている「展覧会の絵」。

もしムソルグスキーがいま生きてたら、たぶん、
「アル中の作った音楽は子供に聞かせられない!」
という苦情が、PTAあたりからきそうなものですが…。

偉大な作品であれば、作者のパーソナリティと
関係なく生き残る、ということなんでしょう。





2012年7月6日金曜日













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観劇No.76
「WORKING!!」スペース・ゼロ 2012.4.13.sat
★★★★☆ 











北海道のファミレス、ワグナリアを舞台に
店員たちが巻き起こすゆるゆるコメディ。
楽しみました~!

原作は漫画で、アニメもやっているそうです。


そんな前情報オールナッシング状態で観たわけですけど、
観劇最中からひしひしと感じていました。

この人たち、みんなキャラクターにそっくりなんだろうな!って。

原作未読がなに言ってんだって話ですけども、それでも感じましたよ。
役者さんがそれぞれのキャラクターの声、表情、しぐさ等々、
かなり研究されてる感じが伝わってきました。


愛を感じちゃいましたよ。
ほっこり。

ストーリーは特に大事件が起きるでもなく。


ワグナリアでバイトを始めた小鳥遊(たかなし)くんが、
それはそれは超個性的なバイト仲間に揉まれてわちゃわちゃするお話です。

雰囲気がゆる~くて、爆発的な笑いというよりは
クスクス笑いが終始絶えない感じだったので騙されましたが、
テンポがそうとう良かったです!!

いいですね。
こういう、重大なテーマはないけど、肩の力抜いて愉快な気持ちになれる娯楽舞台。

印象に残ってる登場人物は、店長さん。
見た目が、チラシに載っていたキャラクターにそっくりだったのもありますが、
ハイヒールでとってもキレイに歩かれるんです!
その美しい歩き方に目がロックオン状態。
何故か目がいく吸引力のある人って、姿勢やしぐさが美しいんだな、と思いました。
店長、大食漢でお店の食べ物に手を出すとんでもない人だけど、
姿勢が良いので品が出て、ちゃんとした人に思えちゃう不思議。


姿勢、大切!


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観劇No.77
バンダラコンチャ「HUG!!~ステレオサウンズ~」
紀伊国屋ホール 2012.5.27.sun
★★★★★















めちゃんこ面白かったーーーーーー!!

感想終わりっ!

ってくらい、単純にとっても面白かったです。

バンダラコンチャは近藤芳正さんが主催するユニット。
今回の出演者は、ウッチャンナンチャンからナンチャン!
密かに好きです、堀部圭介さん!
公に好きです、兼崎健太郎さん!
その他、マナカナのマナちゃん、山崎さん!(ずさん!)


豪華キャスト~。

オムニバス形式で芝居ありコントあり。
全部ひっくるめるからHUG!!なんだとか。

堀部さんって脚本書くの知ってました?
それがまたシュールで面白いんです。


ああ~堀部さん好き~もう公に好きと言っていい~
好きと言って生きてく~

終止笑ってたんですけど、なんだかラストシーンで涙出てきちゃって。
泣くシーンではないと思うんですけど(笑)、無性に感動してしまいました。
私も頑張って生きて行かなきゃと思いましたよ!
うん!