いよいよ暑くなってきましたね。
社会人になりたての頃は、
「ポッコリ三段腹には絶対ならないぞ!」
と三島由紀夫的な誓い胸にしていたはずなのに、
いまではポッコリどころかボッコリ山脈腹で
夏の暑さが身にこたえます。
プリーズ・カム・バック・マイ自制心。
もう少しスマートになれば、夏の節電にも
もっとスマートに貢献できるのに。
…そんな些末なことは置いといて、
音楽家の中には、私の節制のなさなんか
可愛いく思えるほど、ズブズブと業に沈んで
身を滅ぼしちゃった方が何人かいらっしゃいます。
その一例が、ムソルグスキー↓
モデスト・ムソルグスキー(1839-1881)
何となく太宰治に似ている。生き様が。
普通、肖像画の場合、モデルが喜ぶよう
見栄えを整えて描くものですが、
この絵の人、鼻が赤い…。
目がトロンとしてる…。
髪もヒゲもボサボサ…。
脂ぎってる…。
この絵は、本人が亡くなる前後に描かれたそうなので、
クレームのつけようがなかったのかもしれませんが、
とにかくこの人のアルコール中毒は有名だったようです。
そりゃあ、地主だった実家が没落するわ、
勤め先で「余剰人員」と言われて給料カットされるわ、
仕舞いにはリストラされるわ、
相当ストレスフルな人生を送ったそうなので、
まあ、仕方ない。ドンマイ、モデスト。
アル中のせいか狂気じみたところがあったらしく、
作品にも狂気じみた賑やかなもの多いのですが、
例外的にキャッチーな代表作が「展覧会の絵」という組曲。
冒頭のラッパのフレーズは、知っている
方も多いんじゃないでしょうか。
友人の展覧会にインスピレーションを得て
作られたので、組曲を構成する曲には
「小人」や「古城」「卵の殻をつけた雛の踊り」など
絵画的なタイトルがついています。
(ちなみに、ムソルグスキーが作曲したオリジナルはピアノ版で、
オーケストラ用にアレンジしたのはフランスのラヴェルという作曲家です。
どうも日本ではオーケストラ版の方が有名なようですが、ドンマイ、モデスト。)
そして、テレビ朝日の「ナニコレ珍百景」という番組で、
珍妙な景色が現れる際に流れるのが、
最終曲の「キエフの大門」という曲。
(↓この動画の4:15あたりから。)
壮麗な曲なのに、聞いてると、段々笑いが
こみ上げてくるのは私だけでしょうか…。
今でこそ、「偉大な作曲家の偉大な曲」という
扱いをされている「展覧会の絵」。
もしムソルグスキーがいま生きてたら、たぶん、
「アル中の作った音楽は子供に聞かせられない!」
という苦情が、PTAあたりからきそうなものですが…。
偉大な作品であれば、作者のパーソナリティと
関係なく生き残る、ということなんでしょう。
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