私、休日は趣味で音楽をしているのですが、
(アマチュアの、下の下ぐらいのレベル…)
その一環で、楽器の先生にふたり、
それぞれ別の時期に、ついたことがあります。
ふたりとも、音大(ひとりは芸大)を出たあと、
ドイツに数年留学して、
で、日本に戻ってきてすぐに結婚したり
恋人の家に転がり込んだりしているのですが、
理由を聞いたら、どちらも、
「ひとりでは食っていけなかったから」
とのこと。
日本はクラシック音楽の仕事が少ないので、
コンクールで賞とって有名にでもならない限り
なかなか生計を立てられないそうで。
境遇的には、夢見るインディーズロッカー達と同じ。
大変ですね、先生…。楽器うまいのに。
芸術関係の学校はお金が
超かかると聞いたけど…
大金使ってヒモになるのか…
と思うと、音楽ファンとしては何だか複雑です。
※今はおふたりとも、一線で活躍されています。
さて、数多いる音楽家の中には、
「食えないのはマジ勘弁」といって
別の仕事で稼ぎながら、
音楽活動をして(つまりアマチュア)
後世に名を残した人がいます。
アメリカの作曲家、チャールズ・アイブス。

チャールズ・アイブス(1874-1954)
アイビーリーグの名門、イェール大学の出身で、
自分で保険会社「Ives & Myrick」を興して成功しています。
(Quacquarelli Symonds社の世界大学ランキングによれば、
イェール大は、ケンブリッジ、ハーバード、MITに次ぐ世界4位だそうです。
ちなみに東大は25位。霞ヶ関涙目…)
社会的には「勝ち組」だったわけですが、
音楽界では「負け組」どころか「プロ」という
土俵にさえあがらなかったアイブス。
そのせいなのか、一般的な音楽教育を受けた人には
思いつかないような、斬新な音楽を作り続けます。
例えば、オーケストラが、右側と左側で
全く別の曲を同時にやっていたり…
わざと調律のあってないピアノを並べて
ガムランのような音響を実現してみたり…
文字で書いてもよく分からないと思うんですけど、
実際演奏を聞いてみてもよく分からないと思います。
(体験談)
もしかして、自分でもよく分かんないから、
音楽を本業にしなかったんだろうか…。
でも、歴史や文化的蓄積という点で
ヨーロッパに劣等感のあったアメリカでは、
アメリカ発のオリジナリティを持った
アイブスの作品は大事にされていて、
アメリカ人が大好きな戦争映画
(たぶん人種や所得を超えて「俺ってアメリカ人」と思えるから)
に使われたりしています。
太平洋戦争のガダルカナル島の戦いを
描いた「シンレッドライン」(1998年)…
…で使われた、
「答えのない質問(The Unanswered Question)」。
時代的には現代音楽に入るのですが、
どこかただよう懐かしい感じが魅力です。
そういえばアメリカ人って、
懐かしい感じのするものが好きな人多いですよね。
カントリーミュージックなんて、専門のラジオ局が
あるくらいだし。
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