2012年8月20日月曜日

どこかできいてるクラシック⑧


ビートルズ第5のメンバーとも言われた
伝説的なプロデューサー、ジョージ・マーティン。
(ちなみにまだ在命です。)

彼は、デビュー前後の荒削りなビートルズに、
クラシックを聴かせることで、音楽的な素養を
身につけさせ、後の成功に導いたんだそうです。


どんなジャンルの音楽も、大ざっぱに言えば
メロディー・リズム・ハーモニー(コード)の
3要素からできている、という点に関しては一緒。

クラシックの時代に培われた音楽上のアイデアは、
現代のポップスにも使うことができます。


今回はそんな、ポピュラーミュージックの中に
生きているクラシック音楽的手法(の超代表例)
スポットを当てます。

何か面倒くさそうと、思わずにに…。
一部のヒットソングに共通する「パターン」が
わかります(たぶん)。


まずは、こちらの曲の冒頭をお聞きください。


日本ではなぜか卒業式などで使われている
(それゆえにクラシックアレルギーの原因のひとつになっている)
パッヘルベル作曲、「カノン」。



ヨハン・パッヘルベル(1653-1706)
彼に関する重要な資料の多くが第2次大戦で失われている。残念。


冒頭の「レ→ラ→シ→ファ♯→ソ→レ→ソ→ラ」
という美しい音階(コード進行)が有名ですが、

実はこれ、ただキレイなフレーズであるだけでなく、

「大逆循環」

と呼ばれる音楽上の一大発明なんです。


これに当てはめて曲を作れば、だいたいいい曲になる
という魔法のような(且つ麻薬のような)パターン。

その証拠に、いまのポピュラーミュージックでも
よく使われています。



いいですか、もう一度、上の動画の冒頭を聞いてから…


試しに↓この曲の00:21~を聞いてみて下さい。




気がつきましたか?




「涙の数だけ強くなれるよ~」というサビの裏で
ズーン、ズーン…と流れるベース音の進行が
大逆循環を刻んでいるのです。


↓では次に、この曲の00:24~。

ブッブッブッブッ…と8ビートを刻んでいる
ベース音が大逆循環になっています。
(サビの部分も同じコード進行です。)


他にも、↓この曲の00:09~の、ズンズン…というベース音。


↓この曲の00:28〜は、後半がちょっと曖昧ですが、
フレーズの前半はベースが大逆循環をなぞっています。


↓リズムを工夫して分かりにくくなっていますが、
01:33~のサビの部分のベース。


↓ライブ音源だから聞き取りにくいけど、00:02~のベース。


↓海外の有名どころでは、こちらの00:20~。



パッヘルベルがカノンを作らなかったら、
これらの名曲は生まれなかった…

とは、音楽史をよく知らないので言えないのですが、

400年以上前のアイデアが今の音楽に影響していると思うと、
パッヘルベルの偉大さをわかっていただけるのでは
ないかと思います。



それにしても、励まし系ソングには大逆循環が多い…。














観劇No.78
B×b「FRONT LINE misson3:Alien」
博品館劇場 2012.7.1.sun
★★★★★













「魔法使いがいるホテル」と称されるホテルベルフォレストを舞台に、
超個性的な従業員たちがゲストと共に巻き起こす
シチュエーションコメディシリーズの第3弾!

面白かったーーーーーー!!!

それ以外感想ないお☆ってくらい面白かった。


このシリーズの凄いなぁと思うところは、
回数を重ねるに従ってどんどん面白くなっていくことです。
レギュラーメンバーは役が定着して舞台上での自由度が増しており、
どこへピントを合わせても楽しめる。
みんななにかしら面白い動きをしてますw

今回から加わった新レギュラーのドアマン出口くんとハウスキーパー鷲尾くんは、
最初からいたんじゃないかと思わせる自然な存在感。

鷲尾くんは強烈なインパクトでもって登場。
レギュラーメンバーに食い込むためのやらかしキャラの設定がうまいし、
演じるチャボさんもうまい。てかうざい。けど愛せる。

逆に、水の様に馴染んでいた出口くん。
寒がりでドアの中に入ってきちゃうメンタル弱いドアマンって
これまたキャラ設定うまいなー。
幸薄そうな外見とは裏腹に、“サタデーナイトフォーバー”みたいな本名と
英語ペラッペラなところに完全にノックアウトされましたよ。

そして、今回のゲストは、
自称宇宙人アイドル役、人気声優井口裕香さん!
世界的ジャーナリスト役、ジョンソン・ハンコックさん!

井口さんはもうぱみゅぱみゅ。完全にぱみゅぱみゅ。
歌も踊りも表情もぱみゅぱみゅでした。
ジョンソンさんが急に日本語喋り出すってのはお約束ですけど、
それでもちょっと吹きましたね。お茶目でした。

笑いに笑って最後にはじ~んとして、そしてゾクッときて。
ジェットコースターみたいなFRONT LINE。
次回がなんと最終回だそう!

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観劇No.79
空想組曲「組曲『回廊』」
2012.7..sun
★★★★☆













ひとつの物語を軸に、短編がたくさん集まったオムニバス公演「回廊」。
繋がっていそうで独立しているようでもある物語は、
どれも異なるテイストで気持ちのいい長さ。

軸となるのは、時間軸のズレた男女が、重なり離れ、また重なる物語。
パラレルワールドラブストーリーです。
(説明がちょっと難しい…)

それぞれの生きる世界が、ふいに交わる時しか会えない二人。
惹かれあえど、永遠に交わっていられないもどかしさが切ない。
上質な映画を見たかのような気分になり、胸がいっぱいで泣けました。

男役は年齢ごとに演じる役者が変わっていくんですが、
女役は武藤晃子さんが幼少期から老人までを演じていました。
素敵でした。
武藤さんを見ていると、すっごく大きい、母みたいな愛を感じます。
優しさ、慈しみ、癒し。
素敵な女優さん!

そしてそして今回の楽しみにしてたのは、
どわい好きな小玉久仁子さんと日替わりゲストの葛木英さん!

前回のオムニバス公演で一人芝居をした小玉さんにぞっこんLOVEになりまして、
あの時みたいな小玉さんをまた観たい!と思っていたのです。

そしたら!

どんずばで!

例の小玉さんキターーーー!!!


今回はいままで観た事のないしっとりした大人な女性の一面も拝めて、
ますます大好きになりました。
小劇場界最強の吸引力のある女優さんだと思います。

葛木さんは、なんといっても声が素敵。
透明感があって色気があって、キレイ。
あの声とあの短編の猟奇的な世界観はぴったりでした。

満足満足。




2012年8月2日木曜日

「夏フェスとフェイスブック」 vol.34









-東京ちゃん(とうきょうちゃん、英語表記:Tokyo chan)は、
 東京に行ってええかっこをしている人に対するジェラシーと
 地元を捨てたことに対する軽蔑を込めた上京した人のことを称する関西弁である。-
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スカイツリーにダイバーシティー、

ヒカリエにOMOHARA、

お台場冒険王にガリタ食堂…


次から次へと新しいスポットが登場し、
毎週末おのぼり気分が味わえる街、東京。


そしてこの時期、
上京者の遊びゴコロを刺激することに長けた
ナイス街=東京のヤングバカが口走るキーワード

「夏フェス」。



サマソニにフジロック、

オーガスタキャンプにa-nation…


「フェスをオーガナイズするカフェ・プロデューサー」
っていうご職業の方がひときわ輝きを放つこの季節。


Facebookで友達を誘って
みんなで夏フェスへGo!

っていうウソみたいな企画を見て



こんなん、
ほんまにやってみる人おんのかなー?
と思ってたら


近いことしている人たちがおりまして、
今回はそのお話にします。


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とあるラーメン店のテーブル席。
大学時代の同級生らしき3人。
Facebookで連絡して集合した様子。











男:推定25才 高良○吾さん似
(男前だけど不器用で損してる感じ)













女1:推定25才 香○由宇さん似
(高良○吾さん似の男に狙われているけど
まだ彼女ではない。)













女2:推定26才 水原○子さん似
(メガネ。全体的に自由すぎる感じ)


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男:ねぇ、
      夏フェスとか行ってないの。


女2:行ってないから、行ってみたい!
        夏フェスって、なにやってんの?


女1:(iPhoneのバイブに気づき
           LINEのメッセージをチェック。
           その後ひっきりなしにメッセージが着信)

           いろいろやんじゃない、音楽聞きながら。


女2:なになにぃ~?


女1:夏、感じてんじゃない
        みんな。


男:あー俺も、
       フェス出てぇなー

       マジでミスチル
       メンバー募集しねぇかな。


女2:ミスチルに誰か入んの?


女1:(LINEをチェックしながら)
       この間あの子たちの夏フェス行ってる写真
       Facebook上がってんのみた?


男:おー、みたー。
      すげー楽しそうだった!

      あれなに、
      来てた人たちみんな付き合ってんの?


女1:ぜんぶは、
         そういうわけじゃないと思うけどね


男:付き合いたいよなー。
      夏だもんな。


女2:なに、
         あんたたち付き合ってなかったの?


女1:(LINEをチェック、するふり)


女2:なんだ、
         じゃ今度わたしとフェス行こうよ!


男:…ま、いいけど、
      どんな音楽聴くの?


女2:最近は、
      「ラジオヘッド」っての興味ある!


男:あー、
    「レディオヘッド」ね。


女1:(iPhoneでラジオヘッドを検索中)


女2:なんて曲がいい?


男:そうだなー、
       聴きやすいのは
    「OKコンピューター」かなー。


女1:わたしも聴いてみたい。


男:マジで、こんど持ってくるよ!
       いつがいい?


女2:ちょ、ちょっと、それ
         あたしが先に言ったんだけど!


女1:また連絡するから、
         Facebookで。



むむむむー。

なにこの
距離感、
バリア感!


話遠すぎ、
めんどくさっ。


ちなみに
上記のやりとりをざっくりと
関西弁に
翻訳してみました。


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男:なぁ、
行けへんの。


女2:行ってみたかってんわたし!
         行こ、行こっ!
         ほんであれ、なにやってんの?


女1:(iPhoneのバイブに気づきLINEのメッセージをチェック。
           その後ちょいちょいにメッセージが着信するけど
           全無視)

          ライブに決まってるやろ、基本。


女2:そしたらなんで東京の子らはフェスいうん?


女1:あいつらみんな田舎もんやからな、
        さびしいもん同士集まって、
        夏、感じてんねん、
        過ぎ去る季節を味わってるっちゅーかな、
        昼間っからビール飲んでな、
        それで、ええ感じになったらチューしたりして、
        男と女になってしもたりすんねん。

       そんなん含めてフェスっていうんちゃう。


男:あー俺も、
      ミート•ザ•ワールドビート出てみたいなー
      ウルフルズからメンバー入ってほしいって
      連絡こーへんかな。


女2:こーへんちゃう?
         きたら、それ理想的やけどな!
         ないわ、物理的に。


女1:(iPhoneをしまいながら)
         この間あの子ら
         バーベキューやってたんやって?
         写真あがってんの、みた?


男:おー、みたでぇー。
      あれなに来てた人たちみんな付き合ってんの?


女1:そんなわけないやん。

男:あー、彼女ほしいわ~。
      っちゅーか、
      このままやったら2012年
      俺の夏行ってまうっちゅーねん!


女2:なに、あんたら付き合ってへんかったん?


女1:ちょっとだけ。


女2:なんや、
         そしたら今度3人でミート•ザ•ワールドビート、
         世界のビートに会いに行こうや!


男:よっしゃ!
      ほんで最近どんな音楽聴いてんの?


女2:最近は、「ラジオヘッド」
         っちゅーの興味ある!


男:それ、
      「レディオヘッド」やろっ。


女1:「ラジオヘッド」と
         「レディオヘッド」って違うん?


女2:なんて曲がええのん?


男:そやなー、聴きやすいんは
     「OKコンピューター」ちゃうかなー。


女1:わたしも聴いてみたい。
         CD焼いてくれる~?


男:ホンマ!こんど持ってくるわ!
       いつがええ?


女2:ちょ、ちょっと、それ
        あたしが先に言うたんやんー!


女1:ほな、またメールするわ!

        わたし、
        Facebookってハーバードでもない
       東京のアホがやってるインターネット、
       キライやねん!



        あれ、早よなくなれへんかな…………。



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関西弁=フィクションです。