2012年3月26日月曜日

「危険なCM」 vol.31








-東京ちゃん(とうきょうちゃん、英語表記:Tokyo chan)は、
東京に行ってええかっこをしている人に対するジェラシーと
地元を捨てたことに対する軽蔑を込めた上京した人のことを称する関西弁である。-
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テレビはおもちゃ箱のように

ガチャガチャといろんなものがミックスされていて

特にCMは予期せぬタイミングで

その箱から飛び出してくる

いいものも、わるいものの。


たった15秒や30秒やで感動し

「よし、明日からもがんばろう!」


「あー、いままで生きててよかった~」


と思えるCMもあれば、


思い出したくないのに、
頭から出て行ってくれなくなって、
お願いだから忘れたい
思っているのに
また
見たとたん、
予期せぬ方向に気持ちを持っていかれ
リフレインがはじまってしまう
CMがある。

そんな

「危険なCM」

特集してみます。


まずは

これ

「酔わな、酔わないウメッシュ~」



ダンスのセンスも
あなどれないが、
1音目からはじまるベタなメロディの誘導に
抵抗しようとしてみるも
するするする~~~~~と
脳内メモリーに入られてしまって
なかなか出て行ってくれない。

CM危険度★★★



次は、

「らくちんたーい + イェーイブル」



中居くんが楽しそうで
よくこんな企画、成立したなー
と思いつつも
ダジャレの歌詞とゆるゆるのおっさんのうた
が耳から離れない。

このメロディがあがってきた時の
JN’S事務所の担当のリアクション
想像してみようと思ったけど
それはやめておきました。

CM危険度★★



そして、

「ドリランド」


コマーシャルソングの歌詞の文字が
足らない時やリズム感が悪い時に
あたまの文字を2回重ねるという
伝統的な手法。
僕も、ラジオCMでやったことありますが
けっこううまくいきます。
特にMAスタジオで、いま思いついた
みたいにディレクションすると
スタジオ内にこの人慣れてる感がただよいます。

でもこのCMのキャラクター
ビックリマンチョコのシール
のパクリみたいに思えるんですが。

CM危険度★★



さらに、

「Amebaピグ」


このメロディはすでに
すり込まれてるので
そんなに特筆すべきではないですが、
このキャスティングとダンスのセンス。
腹立たない人がいたら教えてください。

CM危険度★



NEXT、

「ケルベロス」



CM自体はつくりこまれているし
EXILE自体もかなりファンなんですけど、
なんなんですかね、
このCMのやな感じ。
オンエア量のせいでしょうか?

CM危険度★




ラスト、

「キーエンス」



最初見た時、ビックリしました。
なにこの違和感。
曲+ダンス+企業
のアンバランス!

これでCM INDEX 3月号の
電子・精密業類 部門(そんなカテゴリーあるんや)
でソニーエリクソンのXperiaを超えて
なんと1位なんですよ!
信じられないですけど、
カッコイイとコメントしてる人もいるわけで、
つくった人の苦労は報われることでしょうけど、
1回みたらインパクト十分なので
もうオンエアしていただなくて結構です。

CM危険度★★★★★



みなさんの中にあるであろう、
「○○なCM」
また、
特集してみたいと思います。

You Tube超便利!


2012年3月22日木曜日

『平清盛』①ゴッドファーザー








※文科省非公認
三度の飯よりも歴史が好きな、本の虫ならぬ歴史の虫。
勝手な解釈で、歴史をカジュアルにお届けします。
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2012年の大河ドラマ、『平清盛』。

























(ポスターのArtDirectionは水口克夫!どうりでカッコイイ)


もうすでにはじまって二ヶ月ほど経ちますが、かなりイイですね~。

ここ数年の大河ドラマの中でもかなりできがイイのではないでしょうか。
(※残念なことに、視聴率はここ数年の中で最低に近いですが・・・)




















さて、そんな『平清盛』にテーマをあてたいと思います。

琵琶法師になったつもりで、数回に分けてお届けしていく予定です!



まずは、『平清盛』といえばこの言葉。

ビッグマウスな感じを連想する人が多いはず。



「平氏にあらずんば人にあらず。」

    ↓

「平氏一門じゃない人間なんて、もはや人間以下だよね。」


ということですが・・・



いきなり間違ったイメージを持たれています!



実はこれ、平清盛が言ったのではなく、

平時忠が言ったとされています。

この人は平清盛の妻の弟。大河ドラマでは森田剛が演じております。
(いかにも言ってしまいそうなキャラ?!)


それくらい平氏一門が栄え、権力を持っていたということのようです。


「朕は国家なり(By ルイ14世)」に並ぶ傲慢な名セリフです。




つまり、

大方の人は、この言葉を連想してしまうくらい、

『平清盛』には暴君・独裁者としてのイメージが強いわけです。



たとえば、清盛が起こした有名な悪事のひとつ。

東大寺を焼き討ち(南都焼討)したという事件ですが、
















・平和的に迫った清盛に対して抵抗勢力が強硬に出たので討伐せざるを得なかったこと

・強風が吹いて予想以上に延焼し東大寺にまで火が達してしまったこと


などが背景としてあるようで、

清盛が一方的に焼き払ったということではないようです。




しかし、よく語られるのは、

「清盛が東大寺焼き討ち!もう誰にも止められない非情な男!」



と言った具合に、週刊誌のゴシップ記事の如く、

悪人として語られてしまうことが多いのです。

(清盛は出家しており深い仏教信仰心があったはずで焼き払うことなんてしなかったはずですが・・・)


















(↑浮世絵などに描かれる清盛。いかにも悪そうに描かれることが多い)


というわけで、どんどん大悪人のようなイメージになってしまうのですね。




そこで、あらためて『平清盛』を考えてみます。




この『平清盛』という男。

当時世の中を牛耳っていた貴族社会の中に乗り込み、

世の中を一気に武士社会へと変えた平家一門の棟梁。



つまり、平安末期に現れた新進気鋭の一門「平家」の

“ゴッドファーザー”というべき存在なのです!















(左:晩年の出家した清盛像 右:イタリアのゴッドファーザー)


どことなく雰囲気が似ているような・・・。



この当時は武士と言うものの身分はまだまだ低く、

皇族や貴族の身辺警護をするボディガードのような野蛮人的存在でした



そんな武士の一族を「武力・経済力・政治力」によって、

身分を昇格させていったニュータイプの権力者だったのです。

(父:忠盛の功績もかなり大きいですが)



日宋貿易を積極的に取り組んだり、

身分の低い者や海賊たちとつき合ったり、

怨霊や祟りが信じられていた時代に迷信を気にしない行動をするなど、

先進的な思想を持ち合わせた人物であった清盛。



いろんな意味で、日本初の革命児でした。


















(↑まさにこんな感じ)



そんな男を、

「異端児と見るか。それとも、先駆者と見るか。」



結論が正しいかどうかは別として、

今度の大河ドラマでは乱世を生き抜く革命児として描かれています。


『平清盛』。


まだまだ語るべきことはたくさんありますが、

ボクも大河ドラマをみながらただ今勉強中でありまして、

ひとまず今日はこのへんで、おしまい。次回へとつづく・・・

2012年3月8日木曜日

どこかできいてるクラシック①






日本人がクラシック音楽を耳にする
タイミングとして最も多いもの。

それはたぶん、テレビ番組やCMや映画などの
BGMとして使われているときではないかと思います。


ほとんどが著作権が切れているので、
耳残りするメロディーがタダで使えるからでしょうか。
好きな人間には嬉しいところです。



でも、



中には、その曲の背景を知っている身としては、
おいおいとツッコミを入れたくなることもしばしば。


今回は、そういう映像物のBGMに使われている
クラシック音楽について振り返ろうと思います。


(今まで見てきた映像が、より深く楽しめるようになる、かもよ。)


♪ ♪ ♪ ♪ ♪
 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪


取りあげるのは、こちらの00:16から使われている曲。




去年、一部をマニアを騒がせた某映画の予告でも使われてました。
(00:29~)




そういえばこのラブコメの特報でも。




知ってる限りで古いところでは。(00:18~)




CMではこれとか。




こちらは曲の途中から。





他にも、タイヤのCMや、お笑い番組の
コーナー転換でも耳にしたことがあります。

「激的」「勢い」「登場」「迫力」といった
演出をするときに使われているようですね。


のっけからシャウト全開で、
クラシックというよりヘヴィメタのようなこの曲、

たくさんのオペラで知られているイタリアの大作曲家
ジュゼッペ・ヴェルディによる
「レクイエム」という作品の1節です。













ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)

彼が生まれたとき、まだイタリアという国はなかった。


「レクイエム」という言葉は、映画のタイトルに
なっていたりするので結構有名だと思うのですが、

カトリック教会で、
誰かが亡くなったときに開かれる追悼ミサの際に
演奏される葬送曲や鎮魂歌の形式こと。

(ヴェルディの他にも「レクイエム」というタイトルの曲はあります。
本当は「鎮魂歌」というのは誤訳なんだとか。)


この曲の場合、
パっと聞くとアーアー絶叫している
だけのように聞こえますが、

元々は宗教曲なので、ちゃんと意味のある歌詞
(教会が定めたラテン語の典礼文)にそって
メロディがはめられているのです。

さて、問題は、その歌詞の意味です。



「レクイエム」とつく作品はどれもだいたい
おだやか〜な曲調の部分ばかりなのですが、
(要は法事のお経のようなものなので)

典礼文の中の
「Dies Irae(ディエス・イレと読む)」という
箇所についている曲だけは、突然激しい曲調になります。


そう、上の例で使われていたのは
「ヴェルディ」の「レクイエム」の
「ディエス・イレ」という箇所。



これを、日本語にすると「怒りの日」という訳に。



いわゆる「最後の審判」とか「ハルマゲドン」の際に、
神様が天国にいく人間と地獄にいく人間を選り分ける
日のことなんだそうです(たしか)



そこではこう歌われています。
(Wikipediaより引用)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

怒りの日、その日は
ダビデとシビラの預言のとおり
世界が灰燼に帰す日です。

審判者があらわれて
すべてが厳しく裁かれるとき
その恐ろしさはどれほどでしょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

うーん。

映画はまだしも、タイヤのCMに
最後の審判の曲は(意味的に)ミスマッチか。


ちなみに、カラヤン大先生×イタリアの名門スカラ座による
「ディエス・イレ」全体の演奏がこちら。




カラヤンの指揮姿は、絵になるなあ。

2012年3月2日金曜日












観劇No.65

PARCOプロデュース「ロッキーホラーショー」KAAT

2011.12.17.sat

★★★★★











知る人ぞ知る「ロッキーホラーショー」は、ロンドンの小劇場で始まったロックミュージカル。

1975年に映画化されると最初は酷評だったものの、性的なキャラクターと奇抜なストーリーを支持する熱心な信者が増え、コスプレした観客が映画に合わせて踊るというパーティーのような上演形式が定着。

歴史あるカルトムービーです。


私は大学時代に映画を見て、もうダダハマり!

エロ、ホモセクシャル、ボンテージ、真っ赤な口紅、そしてかっくいいロックに頭ガツーン!されました。

大学時代にはローリー寺西さん主演でミュージカルが上演され、コアなファンがステージの出演者と一緒に客席で踊る様を見て、「私も次があれば、絶対ダンス覚えて一緒に踊るんだい!」と心に誓ったのでした。


そして2011年。

ついにその機会がきました!

しかも脚・演は劇団☆新感線のいのうえさん、主演古田新太さん。

全国のロッキーファンは狂喜乱舞したことでしょう!

私も脳内麻薬出まくりで、よだれたらしながら横浜へ向かいました。

フランケン・フルター博士(古田さんが演った主役の変態ボンテージおじちゃんだよ)をイメージした真っ赤な口紅塗ってね!

本当はマジェンダのコスプレして行きたかったよーっ!

いつかなにかしらの機会に絶対マジェンダやってやるんだいー!


てなわけで会場に入るなり、胸の谷間もあわらなキュートな売り子さんがポップコーン売ってた!

おおおお…なにその素敵な売り子スタイル!私も着たいよ…はあはあ…

と期待は高まるばかり。


ダダ上がりの期待は裏切られることなく、最後の最後までうるとらすーぱー楽しかったです!

古田さんのフランクはね、もうね、大好きー!

セクシーで変態で最高でした。

エレベーターからの登場シーンは「ぎゃー」って声上がったよ。

観客がこうやって騒げるのもロッキーの魅力です。


おかけんのリフラフも、ちかさんのマジェンダも、ニーコちゃんのコロンビアも、みーんなみーんな大好きでした!

ああ羨ましい!私もあんな舞台に立ちたい!


ラストは念願のタイムワープをみんなで踊ってきたよ!

夢が叶ったよーーー!!!!


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観劇No.66

ドリルチョコレート×キコ 「世田谷童貞機構」 サンモールスタジオ

2011.1.16.thu

★★★☆☆















以前平日2日間限定で下北で上演されたものが、改訂を加えて再演です。

急遽時間が空いたのですべりこんできました。

そしたらちょうど割引最終日でラッキーでした!


タイトルからも漂ってますが、これは放送禁止演劇ですね!(褒めてます)

あまりにふつうに隠語が飛び交うので、言葉の意味がだんだんわかんなくなってったわ。

ピーだわよ。ピー。


エッジの効いた台詞が飛び交います。

一見ただただハチャメチャに見えますが、それぞれのキャラにしっかり芯があります。

面白かった!


世界設定がなかなか秀逸なんですよ。

もし日本が戦争に負けてなかったらどんな世界になってたかを描いてます。

過剰な「恥」文化が育ち、公共エロが禁止され、根絶やしされ、人々は限られた場所でしかエロいことができないんです。

でも若者の性欲はもう爆発するわけですよ。

エロテロとか起きるわけです。

で、アンダーグラウンドでエロテロ集団が人気者になったりして。


お気に入りの台詞は、女性の身体を上から表した「漫画!漫画!劇画じゃん!」です。

いやー男ってバカでしょうもなくて愛おしいですね!!


暗転前の台詞、痺れました~

「この壊れた世界に俺の童貞を捧げよう」でしたっけ?

絶対使うことないけどいつか使ってみたいなぁ。

絶対使うことないけど。


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観劇No.67

R×R 「虹色の輪舞曲 ~8枚の金貨~」 スペース107

2011.1.27.fri

★☆☆☆☆











最近観た中で一番のドファンタジーでした。

ゲームの世界を再現したかのような。

どうやら主宰の方がファイナルファンタジーに関わっているらしく、なるほど~って感じでしたね。


普段からゲームをしない私にはその世界観や能力設定がとっても難しかったので、集中して見てはいたんですけど、理解しきれませんでした(笑)


ドファンタジーなんですけど、ところどころで超現実ネタをぶっこんできます。

水玉れっぷう隊のアキさんがすべらない話したり、山口良一さんが欽ちゃんの話したり。

これが話の腰を折ること折ること!

一気に夢が覚めてしまうのになんであんな演出したんだろう?

ファンタジーと現実の融合が乱暴すぎて、この点は全然面白くなかった。

照れでもあるんでしょうか?いやないよね。だってファンタジーのプロ集団だし。


面白かったのは、色の能力者の戦いですね。

舞台は色に力が宿る世界。

色の能力者たちは、所属する色によって使える能力が違うのです。(この設定かっこいい!)

ある時、酒場に8人の色の能力者たちが集められます。

集められた理由もわからず混乱する能力者たちですが、「不要な一人を決めてください」との命令をうけ、戦いを始めます。


このとき、各々の能力を使って戦うんだけど、細かいところまで非常によく考えられてて感心しちゃいました。

例えば、赤は火、青は水、水色は風、黄は大地、みたいなこと。

それプラス、表には出さない裏能力があって、これがエグイんだ。

小難しいこと抜きにして、この表能力と裏能力を駆使した頭脳戦がもっと見たかったな。


けっこう有名な方が出てたのに、ちょっと残念な感じでしたね。