2012年3月8日木曜日

どこかできいてるクラシック①






日本人がクラシック音楽を耳にする
タイミングとして最も多いもの。

それはたぶん、テレビ番組やCMや映画などの
BGMとして使われているときではないかと思います。


ほとんどが著作権が切れているので、
耳残りするメロディーがタダで使えるからでしょうか。
好きな人間には嬉しいところです。



でも、



中には、その曲の背景を知っている身としては、
おいおいとツッコミを入れたくなることもしばしば。


今回は、そういう映像物のBGMに使われている
クラシック音楽について振り返ろうと思います。


(今まで見てきた映像が、より深く楽しめるようになる、かもよ。)


♪ ♪ ♪ ♪ ♪
 ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪ ♪


取りあげるのは、こちらの00:16から使われている曲。




去年、一部をマニアを騒がせた某映画の予告でも使われてました。
(00:29~)




そういえばこのラブコメの特報でも。




知ってる限りで古いところでは。(00:18~)




CMではこれとか。




こちらは曲の途中から。





他にも、タイヤのCMや、お笑い番組の
コーナー転換でも耳にしたことがあります。

「激的」「勢い」「登場」「迫力」といった
演出をするときに使われているようですね。


のっけからシャウト全開で、
クラシックというよりヘヴィメタのようなこの曲、

たくさんのオペラで知られているイタリアの大作曲家
ジュゼッペ・ヴェルディによる
「レクイエム」という作品の1節です。













ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)

彼が生まれたとき、まだイタリアという国はなかった。


「レクイエム」という言葉は、映画のタイトルに
なっていたりするので結構有名だと思うのですが、

カトリック教会で、
誰かが亡くなったときに開かれる追悼ミサの際に
演奏される葬送曲や鎮魂歌の形式こと。

(ヴェルディの他にも「レクイエム」というタイトルの曲はあります。
本当は「鎮魂歌」というのは誤訳なんだとか。)


この曲の場合、
パっと聞くとアーアー絶叫している
だけのように聞こえますが、

元々は宗教曲なので、ちゃんと意味のある歌詞
(教会が定めたラテン語の典礼文)にそって
メロディがはめられているのです。

さて、問題は、その歌詞の意味です。



「レクイエム」とつく作品はどれもだいたい
おだやか〜な曲調の部分ばかりなのですが、
(要は法事のお経のようなものなので)

典礼文の中の
「Dies Irae(ディエス・イレと読む)」という
箇所についている曲だけは、突然激しい曲調になります。


そう、上の例で使われていたのは
「ヴェルディ」の「レクイエム」の
「ディエス・イレ」という箇所。



これを、日本語にすると「怒りの日」という訳に。



いわゆる「最後の審判」とか「ハルマゲドン」の際に、
神様が天国にいく人間と地獄にいく人間を選り分ける
日のことなんだそうです(たしか)



そこではこう歌われています。
(Wikipediaより引用)


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怒りの日、その日は
ダビデとシビラの預言のとおり
世界が灰燼に帰す日です。

審判者があらわれて
すべてが厳しく裁かれるとき
その恐ろしさはどれほどでしょうか。

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うーん。

映画はまだしも、タイヤのCMに
最後の審判の曲は(意味的に)ミスマッチか。


ちなみに、カラヤン大先生×イタリアの名門スカラ座による
「ディエス・イレ」全体の演奏がこちら。




カラヤンの指揮姿は、絵になるなあ。

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