2011年3月7日月曜日

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台湾出身1984年生まれ、

アリス・ワンという作家さんの展示に行きました。


『2001年のアメリカ同時多発テロでの市民の混乱、

喪失感からヒントを得たインスタレーション作品を発表』

(展覧会レジュメより抜粋)とのこと。

その説明を聞いた後では、

展示の無機質で簡素な雰囲気に少し戸惑ってしまいます。




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http://www.tokyoartbeat.com/event/2010/439Eから












白い空間、白い台座の上にいくつかの「製品」が置かれていました。

医療器具のようにも、オーディオ器具にも見える、

実用的なプロダクトデザイン。

これらは誰か近しい人を失う直前に、

「最後の記録」を遺しておくための装置だそう。

例えば「最後の息」「最後の鼓動」「最後の声」など、

死と生のちょうど間を記録するのだそうです。


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http://wadafinearts.com/#/artists/wang/lastgoodight/から

たしか最後の鼓動と同じ間隔で光って消えるランプと最後の息を取り込み保存する容器だった…かな?

















白い空間は、ネオン管の光もあって一瞬オシャレ?と感じますが、

今考えると荘厳で「あの世」を思わせる空間だったかも。


「デザインは人間性に戻るべき」というコンセプトの元、

制作をしているそうですが

それにしても使う機会の少ないものをつくったですね…。

「人の死」という、感情がMAXになる現場の様子を思い返すと、

こういう一連の動作をすることによって

静かに、客観的に、より鮮明に

大事な人の最期を記憶にも遺せるのかもしれません。



個人的には、人の死をこの作品のような無機質なものに

取り込んでしまう作業にちょっと嫌悪感。


もし自分が死ぬとき、この装置をあてがわれたら

「余裕っすね…」てつぶやいてしまいそう。



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