
今月末に語学検定のために、土日はほとんど
勉強に使っていたため、取材に行ってない…。
なので今回は、他力本願。
先月アドミュージアムでやっていた
「ウルトラアジア」という企画展
(アジア各地の広告祭で入賞した作品を集めた展示会)
で印象に残ったCMと、そこから見る日本との
違いや最近の変化を紹介いたします。
最初に、
台湾のショッピングセンター「全聯福利中心」のCM。
「国民節約体操」というタイトルがついております。
素人感満点の人々が、
「イー、アー、サン、スー…(1、2、3、4…)」
という店員の音頭にあわせて買い物踊り?を
繰り広げるこの作品。
どう「節約」につながるのかというと、
このショッピングセンターは何でも安いので、
ラジオ体操のように毎日、ウチで買ってね!
…ということだそうです。
「日常のアクションを拾って踊りに仕立てる」という
手法は、アジアの映像作品ではよくあるものですが、
(どこかの国の、共産党の宣伝番組でも使われていたような…)
このCMでは、それを皮肉るように、
最初にメーキングをつけているのが
インパクトにになっているんだろうな〜、と思いました。
(特に台湾のように社会主義政権に囲まれた国では)
次も台湾のもので、
高級菓子を製造しているイザベラ(伊莎贝尔)の
「結婚しよう!(我們結婚吧)」なるキャンペーンです。
(我們結婚吧:ウォメン ジエフンバ)
「オチる告白の仕方」を扱ったCMを、女性の星座別に
12タイプ制作したこのキャンペーン(お金かかってるなあ)。
スペース的に訳を付けられませんが、
例えば、獅子座の女性は自分が愛されていることを
全世界に知らせたがったり…など、
ステレオタイプ化が独特でクスっとしてしまいます。
(中国語がわかれば…)
ところで、なんで菓子メーカーが「結婚しよう!」
なんて言ってるのかというと、
最近ブランドが老化して、結婚適齢期の男女への
ウケがよくなくなってきている。
↓
結婚を申し込むようなときに想起してほしい。
(結婚前後の贈答用ニーズが大きい模様。)
↓
普通にやっても面白くないから、
台湾のお家芸・ラブロマンス仕立てにしよう。
↓
自分にひき付けて見てもらうために
12星座ごとに作ろう。
…ということだそうです。
台湾は占いが産業として盛んなので
12星座の企画が出てきたのだと思いますが、
中華圏でこういうセグメントをする場合は
干支を使うことが多いので、個人的には新鮮でした。
ローカルですが、日本のCMにもひとつ
テンションの高い作品を見つけました。
埼玉県民なのに、このCMは初見。
(テレ埼の電波は埼玉全土には届いていない…)
毒があっていいけど、
テレビ局の自社広告じゃなきゃまず考査通らないだろうな…。
全体を通しての感想をまとめると…
・映像やCGの技術は日本とあまり変わらない。
(特に台湾と香港、シンガポール…って全部中華)
・英語と中国語(普通話)が分かれば、アジアはほぼカバーできる。
(マレーシアは英語化した模様)
・ちょっと前に一世を風靡したタイのCMが元気ない。
(政治的混乱のせい?)
・Webやインタラクティブ広告の盛り上がりは日本ほどではない。
(回線速度などのせい?)
・OOHは規模が大きい。
(メディアレスな人が多いということ?)
・共感型の表現(コピー)があまりない。啓蒙型が多い。
(GDPに比例して共感型が増えるような)
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