2011年6月15日水曜日

アジアンCMジェネレーション








今月末に語学検定のために、土日はほとんど
勉強に使っていたため、取材に行ってない…。

なので今回は、他力本願。

先月アドミュージアムでやっていた
「ウルトラアジア」という企画展
(アジア各地の広告祭で入賞した作品を集めた展示会)
で印象に残ったCMと、そこから見る日本との
違いや最近の変化を紹介いたします。



最初に、
台湾のショッピングセンター「全聯福利中心」のCM。
「国民節約体操」というタイトルがついております。



素人感満点の人々が、
「イー、アー、サン、スー…(1、2、3、4…)」
という店員の音頭にあわせて買い物踊り?を
繰り広げるこの作品。

どう「節約」につながるのかというと、

このショッピングセンターは何でも安いので、
ラジオ体操のように毎日、ウチで買ってね!

…ということだそうです。

「日常のアクションを拾って踊りに仕立てる」という
手法は、アジアの映像作品ではよくあるものですが、
(どこかの国の、共産党の宣伝番組でも使われていたような…)

このCMでは、それを皮肉るように、
最初にメーキングをつけているのが
インパクトにになっているんだろうな〜、と思いました。

(特に台湾のように社会主義政権に囲まれた国では)



次も台湾のもので、

高級菓子を製造しているイザベラ(伊莎贝尔)の
「結婚しよう!(我們結婚吧)」なるキャンペーンです。
(我們結婚吧:ウォメン ジエフンバ)



「オチる告白の仕方」を扱ったCMを、女性の星座別に
12タイプ制作したこのキャンペーン(お金かかってるなあ)

スペース的に訳を付けられませんが、
例えば、獅子座の女性は自分が愛されていることを
全世界に知らせたがったり…など、
ステレオタイプ化が独特でクスっとしてしまいます。
(中国語がわかれば…)

ところで、なんで菓子メーカーが「結婚しよう!」
なんて言ってるのかというと、

最近ブランドが老化して、結婚適齢期の男女への
ウケがよくなくなってきている。
     ↓
結婚を申し込むようなときに想起してほしい。
(結婚前後の贈答用ニーズが大きい模様。)
     ↓
普通にやっても面白くないから、
台湾のお家芸・ラブロマンス仕立てにしよう。
     ↓
自分にひき付けて見てもらうために
12星座ごとに作ろう。

…ということだそうです。

台湾は占いが産業として盛んなので
12星座の企画が出てきたのだと思いますが、
中華圏でこういうセグメントをする場合は
干支を使うことが多いので、個人的には新鮮でした。



ローカルですが、日本のCMにもひとつ
テンションの高い作品を見つけました。





埼玉県民なのに、このCMは初見。
(テレ埼の電波は埼玉全土には届いていない…)

毒があっていいけど、
テレビ局の自社広告じゃなきゃまず考査通らないだろうな…。



全体を通しての感想をまとめると…

・映像やCGの技術は日本とあまり変わらない。
 (特に台湾と香港、シンガポール…って全部中華)

・英語と中国語(普通話)が分かれば、アジアはほぼカバーできる。
 (マレーシアは英語化した模様)

・ちょっと前に一世を風靡したタイのCMが元気ない。
 (政治的混乱のせい?)

・Webやインタラクティブ広告の盛り上がりは日本ほどではない。
 (回線速度などのせい?)

・OOHは規模が大きい。
 (メディアレスな人が多いということ?)

・共感型の表現(コピー)があまりない。啓蒙型が多い。
 (GDPに比例して共感型が増えるような)

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