

colum No.10 コクリコ坂から
1200円/1800円(←点数を値段表記に変えました。)
ゲド戦記を大きくK点超え!!!
あらすじ
東京オリンピックの開催を目前に控える日本。
横浜のある高校では、明治時代に建てられた由緒ある建物を取り壊すべきか、
保存すべきかで論争が起きていた。
高校生の海と俊は、そんな事件の中で出会い、心を通わせるようになる。
※Yahoo映画より引用
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観てきました、宮崎吾郎監督のコクリコ坂。
公開当時、多くの映画評論家から
その年の最低映画と酷評されたゲド戦記から7年。
初回ランキングでは3位スタートと
ジブリ映画としては微妙な順位ですが、
今回は完全に子供向けではないからムリもないでしょう。
TVの予告篇で・・・
「嫌いになったのなら、はっきりそう言って」
「俺たちは兄妹ってことだ」
「どうすればいいの?」
こんなセリフがあるくらいですからね。
親は子供をつれて観にいこう!とは思わないですよね。
もしそんなこととは知らずに親子で来ていたら、
「なんだよ!これ!」ってなるでしょう。
そういう意味では、
大人向けを気付かせるセリフをつかったTVCMは成功かも。
さて、内容ですが・・・
顔似過ぎじゃない!?
(↓丸で囲った人)
物語の進行に肝心な写真なのに、
見分けがつかなくて誰が誰だかわからない!?
・・・というツッコミどころもありましたが、
自分たちの手で本気で何かを変えられると信じて、
行動する昔の若者の姿は、真っ直ぐ過ぎてとても笑えたけど、
うらやましくも思ったり・・・
その描き方は、
ゲド戦記と同じ監督が作ったとは思えないくらい
生き生きとしてグッと引き込まれました。
そんな時代設定の中・・・
戦争で帰ってこなくなった父を待ち続ける主人公"松崎 海"は、
同じ学校の”俊”に恋をし交際をするが、
ある日2人は兄妹かもしれないという事実を知ったとき・・・
さて、どうするの!?
海ちゃぁぁぁ~~~ん!!!
という感じで、
海はいままで知らなかった自分の家族のことを知っていくのですが・・・
ここまでは完全に1800円払ってもいい感じ。
さあ、主人公”海”はこれをどう乗り切り、成長していくのか!?
なんですが・・・
その事件後の成長シーンが短すぎる!
ここがしっかりないと・・・
単に松崎家の出生の秘密を90分近くかけて見せられただけ!です。
もの足りなさや、
なんでこの映画みたんだろ?
ってな感情がついつい芽生えてしまいます。
もうちょっと「海と俊が兄妹かもしれない!」という事件が起こるの早くして、
ラストを伸ばせば、もっと良い映画いなったと思うのになぁ。
私的にはココがあれば、かなりの良作!!!
今後に期待ということで、少し辛口の1200円評価です。
大雑把にいうと、宮崎駿のコピー映画感もいなめないので、
サラブレッド宮崎吾郎は、
おやじの背中を観ずに、全然違う映画をつくるべき!
そんな映画をよろしく!!!
ちなみにYahoo!映画の点数は8月19日現在「3.46点」。
レビューを見ると、
かなり高い点数かめちゃ低い点数かのどちらか。
賛否両論あるので、
人によってはかなり楽しめる作品かもしれません。
ぜひ劇場へ観に行ってください。
最後に・・・
映画にでてくる理事長のおじさん役はなんと香川照之さんだった。
今年も行ってまいりました。アートフェア。
本来の4月開催は、国際フォーラムが
被災者の方々の避難受け入れ施設になったため延期になり、
(それ自体はもちろん意義のある、当然のことですが)
右肩上がりだった観客数も減少になっちゃうかな、とか
やや心配しながら足を運んだのですが…
ん?
あの行列は、お隣の「相田みつを美術館」…?
みつをが今そんなに…?
一瞬本気でそう勘違いするほどの行列ができていました。
いやー、すごいな。いやいやすごい。こんなにたくさんの人が
アートを見たいと思っているなんて…泣。
ありがとう、みなさん。(誰目線か)
でもごめんなさい、
私には「招待券」という
なんともセレブなカードがあるので一足お先に…。
係員に向かって手刀切り走法。
「すみまっせん、招待券持ちなんですけ…」
「招待券の方も最後尾ならんでくださーい」
…お、おおう…
よく見るとみなさん、手に招待券…
招待券乱発してるの…?
30分後やっと入れました。
うーん、すごい人!人!人!
あついいいい。
作品、普通に多い~。
ぜんぜんいつも以上~~よかった~~~
今年は目を疑うものにけっこう出会いました。
まず、これ。
…こんな人ごみで、
ついに見てはいけないものを見てしまったのかと思いました。
これは、斬新な「椅子」だそうです…。
…座りたくない…
しかもよーく耳をすませると
「…ガタンゴトン、ガタンゴトン、…つぎはーにしにっぽりー…」
か細い声で山手線アナウンスしてるー。なぜー。
つぎ。
本物の標本みたいですが、作品です。
小さい悪魔のひからびたのやドラゴンのひからびたのが額の中に。
丁寧に注釈には「発見場所、都内」とか。けっこう近場。
ギャラリー違いでアンディーウォーホールの作品が何点かありました。
(おそらく)直筆の作品は、1億5000万。値札、長っ。
ん~、すごく可愛くて素敵なんだけど
今日はやめとこうかしら的な顔で次のブースへ。
その他いいなと思った作品達
左の方は、
チョコレートで出来た
甲冑着てますね。
かわいい。
今津景さん。
静謐な日本画みたいです。
今年もお腹いっぱいな気持ちになれました。
そして今年も作品買えなかった…。ごめんなさい。
それにしても、アートフェアの行列を見て
ずいぶん昔聞いた話を思い出しました。
戦後間もない1946年、
奈良国立博物館で正倉院展の第一回目が開かれた時の話です。
まだ日本中、物資も交通機関も全然回復していないのに
遠方からも多くの人が宝物を見に押し寄せ、ものすごい行列をつくったそうです。
みんな食い入るように展示をみて解説を読んでまた次の宝物を見る…
美に飢え、敗戦で誇りを失いかけていた多くの人たちが
老人から若者まで全国各地から集まって
国宝に見入ったとききました。
正倉院展と違い、アートフェアはほとんどが現代美術作品ですが
(国宝クラスの古美術品も混じってはいますが)
今年、これだけ多くの人がアートを見にこられたというのは
何かみんな共通して思うところがあったのかもしれません。
(招待券はきっと延期になった関係でダブったからでしょう。…きっと。)
来年も無事に開催されますように。
そして来年は一つでいいから買えますように。
観劇No.40
RAGTIME S&D「NEW WORLD」2011.6.11.sat
★★★★☆
AND ENDLESSとbpmのメンバーがコラボしたユニット、RAGTIME S&D。
西田大輔さん(AND ENDLESS)作・演出の「NEW WORLD」と、
浅沼晋太郎さん(bpm)作・演出の「ESORA」の豪華2作品を
俳優座劇場で観てきました。
2作品ともテーマは海賊。
同じテーマを2人はどう料理するのか!?
マチネは「NEW WORLD」観劇。
大航海時代、
“パンドラ”を狙う伝説の海賊ドン・ジョバンニを倒すために集まった5つの海賊団と、
彼らと行動を共にするメフィストと天使の、死をめぐる壮絶な物語。
ブルっとくるほど激しくカッコいい海賊ファンタジーでした。
話が複雑でストーリーを追うのに精一杯ではありますが、
船の上で暴れ回る海賊たちのアクションは圧巻!
生き生きと殺し合いをする彼らを観ていると、
漫画かアニメの世界に紛れ込んだかのような感覚に陥ります。
キャラクターがみーんな素敵でした。
特に5人の船長たちは、それぞれ強烈な魅力を放っています。
唯一の女船長アニーは強くて美しくて憧れてしまったし、
残虐なヘイワード船長は、凶暴さに隠したアニーへの想いと熱い魂が素敵でした。
新進気鋭の海賊団、ビクトリーノ船長の飄々とした雰囲気はルパンのようで浅沼さんに合っていたし、
最大人数のアフロ集団をまとめるマッコイ・ドントパーマ船長は愛らしい!
謎のウィリー船長は…西田さん悪!!(笑)
物語キーになるニケ演じるAKINAさんは小さい身体で動く動く!
メフィスト演じる村田さんは、あれ~こんなに色っぽかったかな?素敵!
なんといっても注目はドン・ジョバンニ演じる窪寺さん!
ジョニーデップを彷彿とさせる見事なうさんくささ!惚れた~!
他にも大好きなキャラクターが沢山いました。
ああ、わたしも海賊団に入りたい!
1回じゃわからないことがいっぱいあって、若干消化不良でしたが、
とっても楽しめました!
RAGTIME S&D「ESORA」2011.6.11.sat
★★★★★
ソワレは「ESORA」観劇。
「NEW WORLD」が荒々しく壮絶な海賊の死の物語とすれば、
「ESORA」は優しく繊細で希望あふれる生の物語。
もーーーーー素晴らしすぎた。
浅沼さんはメッセージを込めて物語を書くことをしないそうです。
でも3.11があって、私たちの「日常」が変わってしまって、
それで初めてメッセージを込めて物語を書いたそうです。
OPのソフィアが登場するシーンでそれを感じました。
至って普通のシーンでしたけど、いつもと雰囲気が違ったんです。
「浅沼さんが何か新しい事をやろうとしてる」っていう予感がしました。
15年ぶりに懐かしい港を訪れたソフィア。
迎えるオリバーは、昔話をはじめます。
彼女が港に住んでいた時のこと、
そして出て行っていった後に起こった出来事を。
花売りをしていたソフィアに恋していた本屋のバートンのこと。
港に不法停泊していたガイとリュックの兄妹のこと。
食堂のキャスリンと大工のブライアンのこと。
平和な港に突如やってきたギリアン率いる海賊たちのこと。
そうして起こった悲劇とバートンが最後に選んだこと。
それは小さくて大きな絵空事…。
とても繊細な中にぶっとんだ笑い満載なところはさすがの天才浅沼節!
キャラクターがホンットいいですよね。
バートンとガイ&リュックのとんちんかんなやりとりには爆笑!
海賊ギリアムがガイに自己紹介を邪魔されるのは大っ好きなシーンです。
物語は衝撃の事実を経て悲劇へと向かいます。
運命のいたずらに翻弄されるバートン。
彼の最後の選択は、村のみんなを笑顔にしました。
「花で人を笑顔にしたい」と語ったソフィアの願いをバートンは叶えます。
空へ向かうバートンのあの顔!
舞散る花びら!
「俺は空に絵を描いた。お前はどう生きる?」
わたしは泣きながら笑っていました。
バートンの言葉が胸に深く突き刺さり、息苦しくなりました。
あのメッセージは、生きてく限り私を戒めると思います。
今生きて浅沼さんの作品を観れる幸せに震えました。
ここ数年で1番の、
強く美しく悲しく優しいエンディングでした。
素晴らしかった!