
観劇No.40
RAGTIME S&D「NEW WORLD」2011.6.11.sat
★★★★☆

AND ENDLESSとbpmのメンバーがコラボしたユニット、RAGTIME S&D。
西田大輔さん(AND ENDLESS)作・演出の「NEW WORLD」と、
浅沼晋太郎さん(bpm)作・演出の「ESORA」の豪華2作品を
俳優座劇場で観てきました。
2作品ともテーマは海賊。
同じテーマを2人はどう料理するのか!?
マチネは「NEW WORLD」観劇。
大航海時代、
“パンドラ”を狙う伝説の海賊ドン・ジョバンニを倒すために集まった5つの海賊団と、
彼らと行動を共にするメフィストと天使の、死をめぐる壮絶な物語。
ブルっとくるほど激しくカッコいい海賊ファンタジーでした。
話が複雑でストーリーを追うのに精一杯ではありますが、
船の上で暴れ回る海賊たちのアクションは圧巻!
生き生きと殺し合いをする彼らを観ていると、
漫画かアニメの世界に紛れ込んだかのような感覚に陥ります。
キャラクターがみーんな素敵でした。
特に5人の船長たちは、それぞれ強烈な魅力を放っています。
唯一の女船長アニーは強くて美しくて憧れてしまったし、
残虐なヘイワード船長は、凶暴さに隠したアニーへの想いと熱い魂が素敵でした。
新進気鋭の海賊団、ビクトリーノ船長の飄々とした雰囲気はルパンのようで浅沼さんに合っていたし、
最大人数のアフロ集団をまとめるマッコイ・ドントパーマ船長は愛らしい!
謎のウィリー船長は…西田さん悪!!(笑)
物語キーになるニケ演じるAKINAさんは小さい身体で動く動く!
メフィスト演じる村田さんは、あれ~こんなに色っぽかったかな?素敵!
なんといっても注目はドン・ジョバンニ演じる窪寺さん!
ジョニーデップを彷彿とさせる見事なうさんくささ!惚れた~!
他にも大好きなキャラクターが沢山いました。
ああ、わたしも海賊団に入りたい!
1回じゃわからないことがいっぱいあって、若干消化不良でしたが、
とっても楽しめました!
RAGTIME S&D「ESORA」2011.6.11.sat
★★★★★
ソワレは「ESORA」観劇。
「NEW WORLD」が荒々しく壮絶な海賊の死の物語とすれば、
「ESORA」は優しく繊細で希望あふれる生の物語。
もーーーーー素晴らしすぎた。
浅沼さんはメッセージを込めて物語を書くことをしないそうです。
でも3.11があって、私たちの「日常」が変わってしまって、
それで初めてメッセージを込めて物語を書いたそうです。
OPのソフィアが登場するシーンでそれを感じました。
至って普通のシーンでしたけど、いつもと雰囲気が違ったんです。
「浅沼さんが何か新しい事をやろうとしてる」っていう予感がしました。
15年ぶりに懐かしい港を訪れたソフィア。
迎えるオリバーは、昔話をはじめます。
彼女が港に住んでいた時のこと、
そして出て行っていった後に起こった出来事を。
花売りをしていたソフィアに恋していた本屋のバートンのこと。
港に不法停泊していたガイとリュックの兄妹のこと。
食堂のキャスリンと大工のブライアンのこと。
平和な港に突如やってきたギリアン率いる海賊たちのこと。
そうして起こった悲劇とバートンが最後に選んだこと。
それは小さくて大きな絵空事…。
とても繊細な中にぶっとんだ笑い満載なところはさすがの天才浅沼節!
キャラクターがホンットいいですよね。
バートンとガイ&リュックのとんちんかんなやりとりには爆笑!
海賊ギリアムがガイに自己紹介を邪魔されるのは大っ好きなシーンです。
物語は衝撃の事実を経て悲劇へと向かいます。
運命のいたずらに翻弄されるバートン。
彼の最後の選択は、村のみんなを笑顔にしました。
「花で人を笑顔にしたい」と語ったソフィアの願いをバートンは叶えます。
空へ向かうバートンのあの顔!
舞散る花びら!
「俺は空に絵を描いた。お前はどう生きる?」
わたしは泣きながら笑っていました。
バートンの言葉が胸に深く突き刺さり、息苦しくなりました。
あのメッセージは、生きてく限り私を戒めると思います。
今生きて浅沼さんの作品を観れる幸せに震えました。
ここ数年で1番の、
強く美しく悲しく優しいエンディングでした。
素晴らしかった!
0 件のコメント:
コメントを投稿