2010年6月29日火曜日










Colum No.2 さよなら シャンプーの神様




みなさん、神様って信じますか?



私は特に信じている宗教が

コレといってあるわけではないですが、

結構信じています。



だから厄払いとかお守りとか

そういった類いのものは信じてやるタイプです。

(神様が関係あるかわかりませんが・・・)



私が信じている神様の一人にこんな神様がいます。



そう、それは・・・



シャンプーの神様。

(読むのやめないで。)



一日で一番無防備な瞬間・・・。



それはシャンプーの時間。



リンスもだろ!という反論があるかと思いますが、

リンスよりも泡の多いシャンプーは、

目が開けられないので、やはりシャンプーが最も無防備な瞬間でしょう。



シャンプーをしている時に、幽霊が背後にいたらどうしよう。

シャンプーをしている時に、誰かにシバかれたらどうしよう。



こんなこと、

誰もが一度は考えたことあるのではないでしょうか。



そんな瞬間を守ってくれる人なんていません。



そう、みなさんシャンプーの神様を信じましょう!

そして快適なシャンプーライフを!!!

(シャンプー教でも作ろうかな。。。)



なんて思っていた矢先、

シャンプーの神様を少し信じられなくなってきました。



それはコレを見たから。



ドーン。





















北野武監督最新映画。

アウトレイジ。

(前置き、長っ!!!)



キャッチコピーは「全員悪人。」



北野監督、久々のコテコテの

バイオレンスムービー。



舞台は、ヤクザ社会。

手段を選ばないヤクザ達が、互いを騙し、傷つけ、殺し合いながら、

うえに上がろうとする究極の下克上ムービー。

最後に誰が生き残るのかっ!?



もうシャンプーの神様なんて関係なしっ。



シャンプー中でも、バシバシ殺されます。



この映画にヒーローは一人もいません。



悪いヤツナンバー1を決める。

正義のないこの映画は、見た事のないフシギな感覚を与えてくれます。



しかも、それが逆にリアルで自分に置き換えると

「イヤだなー」と思ってブルッとしたり・・・。



気付けば映画が終わっていた感じでした。



注目すべきは、セリフ。



「てめーぶち殺すぞ!このやろう!」

「誰に向かって口聞いてんだ、殺すぞ!」

「なめてんのか!こらっ!」



北野武

椎名桔平

加瀬亮

三浦友和

北村総一朗など

豪華俳優陣から放たれるこのセリフは圧巻の一言。



スカッとします。



殺し方も北野流。



いままで見た事もない斬新な殺し方で、

ドンドン出演者が死んでいきます。

(ネタバレするので具体的には伏せておきます。)



まさかこの人が!というキャラクターが次々といなくなる裏切り。

全員、腹の奥底では何を考えているかわからない恐怖。

少しだれた所で挿入されるナイスタイミングのバイオレンス表現。



こんなことを書いていると、

ただバイオレンス好きと勘違いされそうですが、

(そうなのかもしれませんが、、、)

映画においてバイオレンスな表現というのは、

良質なエンターテインメントだと思います。



私は「より多くの人に感情の揺さぶりが起きる」ことが

いいエンターテインメントだと勝手に思っているのですが、

バイオレンスな表現にはそれをクリアする力強さがあります。



「怖い!」「痛い!」「キモチ悪い!」

暴力的表現をみると万人がそう感じる。



これは1つの感情の揺れ。



ここに別の感情が入ってくると

揺れが揺さぶりに変わり、魅力的な作品になるのではないか、、、

な~んて思っています。



そんなこんなでシャンプーの神様を信じられなくなった私は、

その日の夜、目を開けてシャンプーをするのでした。



総評。



シャンプーの神様を返せ!!!



それでは・・・



さよなら。

さよなら。

さよなら。





2010年6月24日木曜日

鉄道博物館2








埼玉県の新名所、鉄道博物館にお邪魔しています。



* * *


前回から見ているヒストリーゾーンの車両たち。

事情によりこの後駆け足で回ることになって
しまったので、ここからはダイジェストで。


まず、蒸気機関車の実物大・解体新書。

↓このコーナー、全体的に証明が暗めなのでちょっと不気味。












たとえ機械でも、解剖図はちと気持ち悪い。



古い列車のイスに腰掛けたり(いいのか?)、
















運転台を覗き込んだり。
















普段は駅のホームの上から見ているのでわかりづらいけど、
電車は意外にデッカい(4mくらい)。




















階段を登ると、一般人がここ以外では間近で目にすることは
おそらく一生の間にないであろうパンタグラフが…。













他にも、皇室専用車両なんかもあるので、
なかなか見応えがあります。













* * *


と、広大なヒストリーゾーンをどうにか見終えて2階へ。

↓建物自体もキレイで結構面白い。














日本の鉄道についての年表コーナーは流しつつ、
(ホントに年表が並んでいるだけなんだもん…)



鉄道博物館2つめ名物展示(と勝手に思っている)
広大な鉄道模型のジオラマ展示へ。














写真だとわかりにくいですが、
幅が25mくらいあって、
その中を縦横に線路が走り、
鉄道模型が行き交っております。


見てる感じとしては、熱帯魚の水槽に近いです。
何も考えず、ボーッと楽しめる。


後ろに座席もあるので、歩き疲れたとき
休憩するのにちょうどいいかもです。




2階には、この他、鉄道が動く仕組みを
簡単な実験を通して学べるラーニングコーナーがあります。
(子どもしかいなかったのでヒヨった)





そして、ダッシュで3階へ。

この階は特に展示はないのですが、
休憩ラウンジの窓から新幹線の線路を
真横に臨むことができます。


これってなかなか貴重なことだそうで。


新幹線は、高架区間が多く、
しかも防音のために壁が高い。

だから高層ビルからでもない限り、
走行中の新幹線の姿を拝むことはなかなかできない。


撮り鉄の方には絶好の撮影ポイントなわけです。
(丁寧なことに、目の前を通る時間の目安表もある!)



そうこうしている間に、タイミング良く新幹線が!


思わずパチリッ!


















…主役(新幹線)が小さいぞって…?




いや、さすが新幹線。

携帯電話のシャッタースピードでは
とらえられなかったのです(汗)



* * *



とここで、どうしレポートがこんなに駆け足なのか。


実は、この日、お昼まで別用があったので、
入館したのが4時近くだったのですが…



想像より広く、展示も多いので…



ここで、タイムアウトに…。
(閉館は6時)


鉄道博物館3つめの名物、運転シミュミレーター
(電車でGo!をもっとリアルにしたもの)と、ミニ列車運転は
体験できませんでした…。



ホームページで見た感じ、楽しそうだったので
ちょっと無念。


* * *


さて、博物館といえばミュージアムグッズ。


最後の最後にその博物館のセンスが問われる
グッズコーナーにおしゃれなお土産はあるかな~…



…あるかな~



…ん?







…ないな。。



少なくとも鉄道初心者の大人が
普段持って使えるのは、これくらいでしょうか。













かわいい色使いとキャラクターが表紙になった
ミニノート(A6サイズ)と、同じマークのボールペン。


日本語でも英語でもない言葉が書かれているのですが…、





コレ、実は日本のものじゃないのです。
(スウェーデン国鉄のグッズ)


他は、冷やかしで来た大人が持つにはちと恥ずかしく、
お土産にしても困られそうな感じ。



博物館の方には、もう少しグッズ開発に力を
入れていただきたいと思ったのでした。


* * *


鉄道博物館のお勧め度

独断と偏見にまみれた、
素人による素人のためのお勧めポイント。
今回もいってみよ〜。


・鉄道初心者の人:★★★
正統な展示の仕方で、鉄道ファンだけの
聖地という感じではないです。
体験運転のようなアトラクションも
あるので、女性でも結構楽しめる(?)


・カメラマンを志す人:★★★☆
携帯のカメラは暗いとピントが合わないので、
上の写真ではわかりにくいですが、色々試せそう。
ただし場内三脚禁止です。


・生まれ変わったら鉄道マンになりたい人:★★★★★
輪廻とは、現世のパッションとイマジネーションから
始まります、多分。


・埼玉県在住の人:★★★☆
おススメというか、行けば他県の人との
郷土トークに加われるのではないかと。


・ゴスロリファッションをたしなむ人:★★★★☆
皇室専用の御料車とか、レトロなものがいっぱい。
場内いい感じに暗いので写真撮影の背景にいいかも。


・夏休みの自由研究に毎年難儀する人:★★★☆
8月31日に行って、目についたことを入れ込めば
何とかなる!(たぶん)


・仕事に疲れた人:★★☆
平日に関わらずいたおじさま方が、
みんな目を輝かせていたので。
大人な子どもを癒す力がある?


・ビジネスで海外に行く人:★★★
以前、知人が日本の鉄道の話を海外の取引先に振られ、
答えられなくてガッカリされたらしいので。


・埼玉土産を探している人:★☆
上記の通り一般ウケしそうなオリジナルグッズは少ない。
子どもは喜ぶかとおもいます。


・新しいデートスポットを開拓しようとしている人:★★
それらしきカップルの姿もチラホラみましたが、
正直行く相手とタイミングを選ぶと思います。
付き合いたては行かない方がいいかも。
どっちかが鉄道に詳しいより、
2人とも詳しくない方が普通に楽しめるかと。



総じて、鉄道ファンの聖地という
感じではありませんでした。

トリビア的な面白い発見は特にないので、
そこが少しだけ物足りなかったですが、
見れて触れられて、一般の人にも楽しめる
博物館だと思います。




さて、次は何をしようか。

2010年6月23日水曜日

鉄道博物館1









3年前にオープンして、

既に入場者数が300万人を超えている
鉄道博物館@埼玉。

最初の1年で180万人ほどの人が訪れたそうですが、
日本最大(?)の東京国立博物館より多い。

各地の科学・技術関係の展示を行う専門博物館の
全国トータル来館者が年間1200万人ほどなので、
その15%を単館でたたき出しているわけです。


まあ、データだけ見るとスゴいのですが、
鉄道にそう詳しいわけでもなく、
見るより乗る方が好きな自分にとっては、どうか。



* * *


新宿から大宮まで、湘南新宿ラインで約25分。

ここで、新都市交通のニューシャトル(決して新しくはない)
に乗り換えて北へ。


ここまでは、車窓から見える景色は
都内とそう変わらないのですが、

大宮を出た途端、突然、視界が開けます。



前回、高尾に行ったときよりももっとあからさまに、
スパッと建物は低くなり、そして田畑が見えてくる。


都会と田舎の協会が見える…


さすが埼玉…。





と、のどかな景色にビビっている間に(約3分)
「鉄道博物館駅」に到着。



駅名もムダがないですが、立地にもムダがなく、
改札を出ると、すぐに重厚な柱の列が迎えてくれます。


↓駅前がすぐ博物館のファサードなので、雨の日も濡れません。














↓入り口の横には、機関車の首…ではなくトルソが鎮座。




















思っていたよりは地味ですが、
無骨さに鉄道基地っぽいシズルを感じます。


入館証は、さすがJRの博物館というか、
Suicaと同じタッチ式ICカード。


↓入館料は大人1,000円、小中学生500円

















駅からエントランスまで続く
ファサードがあまり高くないので、
建物もあまり大きくない気がしていたのですが、
入ったら、天井高っ!


以前、神田にあった交通博物館は、
色んな車両がはみ出さんばかりに並んでいた
印象があるので、余計に広く感じます。


↓エントランスホールは、現役車両の動態展示といったところ。

















周囲のプチ田舎っぷりに感じていた一抹の萎えを
一瞬で払拭。いい感じです。


さて、ここを向かって右手に進んで、
古今の色々な車両を集めた
「ヒストリーゾーン」という展示エリアへ。


* * *

↓こんな感じで古い機関車が迎えてくれます。
















平日の昼間に行ったので(サボりではない)
ガラガラだったのですが、
中でも一番多いのは小さな子どもを連れたお母さん。


一緒に車両の中を見れないからか、
子どもを抱っこしている人が多いです。
(ベビーカー置き場がゾーンの入り口にある)


結構広いので、大変そう…。







…そして、

それと同じくらいの頻度でスーツ姿の男性が。




しかもグループで来ている人が多いので、
サボっているという感じではありません。


目をキラキラ、させて車両をご覧になっておいででした。


それにしてもナゼ?


* * *


設置されている車両の中には動くものも。





この機関車(C57)、1日に何回か…


ぐる~

~~~

~~~

~~~

~~~




~っと、回ります。





回るついでに

「ブア~~」


っと、気前よく汽笛も鳴らしてくれるのですが、

音量が本気なので、近くで聴くと耳がしんどい。


小さい子どもを連れて行くときは
準備が必要かもです



(次へ)

個人的埼玉論











こんにちは。

この時期になると、

髪の毛が波打ち際のワカメのようになって、
頭の面積が1.2倍になるキャリーです。


このブログでたぶん最ユルを誇る
ニッチ曜日・第2ターンは、
生まれてこのかたボクが思ってきたことから。







突然ですが、埼玉県出身の人には、悩みがあります。

(…とワタクシが勝ってに思っているだけ…?)



試しに、「埼玉」と聞くと、
何を思い浮かべるでしょうか?


 ・
 ・
 ・

そう、埼玉県民には、他都道府県出身の人と
地元トークをしようにも、
ネタがとても少ない。



名所や観光地
…埼玉にしかないものは、基本、ない。


グルメ
…神戸牛や佐藤錦のようなブランド力や、
 讃岐うどんのような安定感、
 水戸納豆のようなインパクトのあるものは、ない。


歴史的なモノ
…戦国時代に埼玉を統一した乱世の梟勇が現れるでもなく、
 江戸時代を通して続いた大大名がいたわけでもなく。
 古墳が結構あるのですが、奈良と比べたら勝てない。


記録
…日本でイチバン暑い(≠熱い)街といば熊谷(最高40.9℃)
 ですが、そう言われても行きたくならない。


スポーツ
…西武ドームのある所沢へは埼玉の中心部からは行きづらい。
 浦和の赤い悪魔・レッズも他都県のファンが結構多いので、
 埼玉だけのものとはちょっと言いにくい。


方言
…年配の方にはちょっと訛る方もいますが、
 ほぼ絶滅危惧種。

 特に南部は転入してきた人が多いので、
 言葉に誇りもこだわりもない。



東京に近い
…千葉や神奈川だって近いし、そもそも東京の魅力に
 タダ乗りしているだけ。

 そう言われると、工業・農業ともに盛んなのも、
 人口が多いのも全て東京サンおかげです。


  ・
  ・
  ・

うーん、ない。何もない。
むしろ、ないことがネタなのか?

人口も経済規模も日本有数なのに、

郷土自慢では胸を張れない県なわけです。


* * *


しかしそんな、無個性を個性とする埼玉県に、
3年前、突如救世主が出現したのです。


その名も…




「鉄道博物館」(通称てっぱく)。





あれ、それが救世主?

と大半の人は思われるかもしれないが、

県民的には結構な話題だったんだ
知ってくれわかってくれ勘弁してくれ。



まあ、ここ数年流行の、オタクっぽいもので
街おこししようという類の一つです。
(埼玉は、常習犯。)



巷では、新型車両がデビューしたり引退する度に、
当の列車よりも「撮り鉄」の方々が話題になったり、
世間話ついでに鉄道の話で盛り上がる「ママ鉄」と
呼ばれるお母さん達が注目を集めている昨今。


そんな鉄道の車両をご神体のごとく祭った
博物館がいかなる場所で、どんな人に合うのか。

探訪してまいりました。

(続く)

2010年6月16日水曜日











観劇No.6

Z団『リバース・ヒストリカ』 2010.5.15.sat 六行会ホール

★★★★☆













〈あらすじなどはこちら〉 http://bam-boo.biz/z-dan/



初めましてのZ団さん。

この日はもうてんてこ舞いで

開演2分前に会場へ滑り込みました。


東京の道をダッシュするのって、けっこう恥ずかしいですよね…



総評は、面白かった!(簡単!)

すごくちゃんとしてる!(失礼!)

帰ってHPを見て驚いたのですが、

主宰の方は、俳優の北村一輝さんのお兄さんなんですって。

兄弟揃って才能豊かなんですね。



京都歴史探訪ツアーに参加したツアー客たちの身体に

戦国武将たちが憑依し、現代で再び天下取りが始まっちゃう!?

っていうストーリーでした。

織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、柴田勝家、森蘭丸などなど、

豪華な戦国オールスターズが平成にカムバック。

嗚呼、素敵〜!炎の蜃気楼みたいですね!(腐)



本能寺の変の新解釈をテーマにした舞台は、

シアタークリエで観た「ガーネットオペラ」と同じですが、

こちらはよりコメディ色が強い感じ。

しかも「ガーネットオペラ」に出演されてた中村誠治郎さんが

こちらにも出演なさっているという偶然。

しかもしかも、こちらでも明智光秀がかわいそうなくらい悩んでる。

不憫だなぁ光秀よ…



自称霊媒師が降霊する依り代(憑かれる人)を間違い続け、

戦国武将が次々とツアー客の身体に取り憑くのですが、

織田信長がキレイな女性に憑いてしまったりして、

ギャップが面白かったです。


中でも秀逸なのが、美男子として有名な森蘭丸が、

田口治さん演じるおっさん顔の大学生(劇中でそう言ってるんで…)に

降りちゃうとこ。

鏡を見て「化け物ではないかぁ!」と驚愕するシーンでは

爆笑してしまいました。

やりすぎなかっこよさが非常に面白かった(笑)



「ガーネットオペラ」で信長を演じていた中村誠治郎さんは、

今回は豊臣秀吉に憑依された大工役でしたが、

たぶん、日本一かっこいいニッカポッカ姿だと思う…! (〃゚∇゚〃)

舞台で何度か拝見しておりますが、

出るだけで空気を変える俳優さんです。

惚れるわ〜…



セットや演出込みでとっても気に入ったので、

次回公演も是非観てみたいなーと思います!





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観劇No.7

劇団、本谷有希子 『甘え』 2010.5.22.sat 青山円形劇場

★★★★☆















〈あらすじなどはこちら〉 http://www.motoyayukiko.com/



「夜這い」と「価値観」のお話。

これは不思議でした。

考える要素がたくさんあって、

観た直後はなにが言いたいのか全然わからず、

もやついたまま帰路についたのですが、

だんだん「やっぱり面白かったよアレ!」と思えてきて、

今ではもう一度観たい。(もう遅いけど…)

スルメのような作品です。



この劇団は本谷有希子さんが主宰する、

専属俳優を持たないプロデュースユニット。

本谷さんは女優、声優、小説家と活動の幅が広く、

佐藤江梨子主演映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の

作者としても有名です。


わたしは本谷さんの舞台が大好きで、

以前他部署の仕事でうちの会社にいらっしゃった本谷さんを

無言で外まで追いかけたくらいです。

(建物の影から拝むだけで精一杯でした…)


妙に共感できて、見終わった後の余韻がイイんです。

エグく、グロく、痛々しく、

登場人物はたいがい歪んでて性格悪い。

でも共感できるのは、たぶんキャラクターが、

誰にでもある質を極端に膨張させて

出来上がっているからじゃないかと思います。


膨張させる質はたいがい嫌な部分で、

誰しも持っていたり知っていたりするけど認めたくない部分。

(自己顕示欲や性欲、支配欲などなど)

それを包み隠すことなく膨張させ、正直に描いています。

だから観客は、隠しておきたい自分の嫌な部分と向き合うことになります。



さてタイトルは「甘え」、テーマは「夜這い」、主演は小池栄子。

この前情報だけ見ると下世話な想像をしてしまいますが、

想像とは違ったものの、やはり不道徳なお話でした。



母に逃げられた父と二人で暮らしている順ちゃん(小池栄子)。

寂しさから娘に甘え、

家に縛りつける父親からの解放を望む順ちゃんは、

自分こそ父に甘えられる状況に甘えていると気付きショックを受ける。

ある日順ちゃんは、日本古来の「夜這い」の風習にならい、

自分を禊くことを決意する。



という話なんですが、

小池栄子が父親を殺しかけるショッキングなシーンで幕が開きました。

このことが、後々順ちゃんを驚きの行動へと走らせます。



めっちゃネタバレしますけど、いいですか?(いまさら…)



順ちゃんは貞操観念のゆるい友人に

「脳みそはおしゃれだけど、価値観がダサイ」と言われます。

(これすっごい面白い!!)

自分の価値観をぶっ壊すためには、身体から変えないといかん!

と思った順ちゃんは、自分を「夜這い」させるんですね。

しかも複数人に。

このラストシーン「私よ、禊がれろ!」と叫ぶ小池栄子には

鳥肌がたちました。

父を殺しかけた経験を正当化することに失敗した順ちゃんは、

とにかく価値観をぶっ壊さないと生きていけないんですね。

なにもそこまで!と思いましたが…


登場人物もストーリーもとにかくぶっ飛んでて、

非凡な自分は感性だけで観た感じがしました。

とっても女性的な見方ですよね。


いや〜複雑だった〜!


次回はパルコ劇場だそうでおめでとうございます!

絶対観に行きます!



2010年6月15日火曜日














約一ヶ月ぶりのこにゃにゃちわ。フシギです。

(サンジャポの岡本夏生を意識)


さっそく5月観劇分の感想を、

100%自分基準で綴っていこうと思います。



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観劇No.5

『音楽舞踏会 黒執事 ~千の魂と堕ちた死神~』

2010.5.5.wed 赤坂ACTシアター

★★★☆☆












〈あらすじなどはこちら〉 http://www.kuroshitsuji-stage.jp/




タイトルがネタバレだー!!! Σ( ̄□ ̄lll)

と思った客はわたし以外にもいたはず…


ロンドンで連続殺人事件が起こるんですが、

ちょっと勘のいい人はかなり前半で犯人がわかります。



原作は枢やなさんによる『月刊Gファンタジー』にて連載中の漫画です。

女子に非常に人気があり、2008年テレビアニメ化、

2009年には舞台化第1弾(脚本は尊敬する浅沼晋太郎さん!)、

そして2010年7月からテレビシリーズ第2弾が放送開始予定だそうです。



漫画のストーリーはこんな感じ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーー

名門貴族・ファントムハイヴ伯爵家の執事セバスチャン。

彼は日頃の執事としての業務は勿論、全てにおいて完璧。

まだ幼い主人シエル・ファントムハイヴと共に裏家業である「女王の番犬」として動く。

物語は、ファントムハイヴ家の日常とシエルの裏家業を描く、

アクションシチュエーションコメディ。

(Wikipediaより)

ーーーーーーーーーーーーーーーーー



イイ感じに執事ブームに乗っかって大人気です。

絵が美しく、衣装が美しく、

退廃的なストーリーと飛び散る血!(きゃー♥)

う~んゴス!


この漫画のなにが女子を惹き付けるのか。

まず執事セバスチャンがもうパーフェクトなんです。













←セバスチャン(証明写真みたい…)



眉目秀麗、頭脳明晰、ダンス、武術、料理の腕前も完璧。

(イメージとしては、ドラマ「メイちゃんの執事」の水嶋ヒロでしょうか)

そして、なんとこのセバスチャン、

実は「悪魔なんです! ←ココ萌えポイント


「退廃美」を愛する女子にはたまらない設定。

つまり、美しい悪魔セバスチャンと、

幼い主人であり契約者であるシエルとの妖しい主従関係が、

ゴスっ子の心をつかんでいるのではないかと思います。




さて、原作から離れたアナザーストーリーとして展開する舞台化第2弾。

セットも衣装もとっても豪華になってました!

演出も素敵でしたし、

劇中の舞踏会のチラシを実際にお客さんに配るというような

観客を巻き込む演出も素敵だと思いました。

が、その分中身が…さらっとしていた気が…


軸となるのは、敵対する死神派遣協会の死神たち。


ある日、シエルとセバスチャンは女王の命により、

ロンドンで頻発する無差別殺人事件の捜査に乗り出します。

一方、“魂を回収する仕事”を担う死神派遣協会では

“回収されない魂”の異常発生が問題になっており、

優等生死神アラン(後輩)とその相棒エリック(先輩)が調査に乗り出します。


が、実はその事件に死神が関わっていることが判明。

なんとエリックが、死の棘という病におかされたアランを救うべく

殺人を犯していたんですね~。



っていうのを中盤で確信してからは、若干退屈に感じました。

驚きの展開が少なかったなー…と。


アランのため殺人を犯すエリックの気持ちに共感できなかったですねー。

だから、感動のラストシーンもなんだか作り物に見えました。

(舞台はもともと作り物なんですけどね…)



漫画が原作の舞台は、

とにかくキャラクターをたくさん出さないといけないから、

中身がなかなか難しいですね〜。

原作付きの映画もそう感じます。

監督や脚本家は大変…!




ま、でも今回の目玉はなんと言っても

勢揃いした死神派遣協会の死神たちDEATH☆

黒スーツで歌い踊る死神は見応えありました。


協会の異端児、赤い死神のグレル(シャアみたいに言ってみた)

役の植原さんは以前に増して素晴らしいハマりよう!

ずいぶん笑かしていただきました。


セバスチャン役の松下優也さんの歌はやっぱり別格で、

振り幅の広い綺麗な歌声に惚れ惚れしました。


シエル役の西井幸人くんは、キュート!

歌も伸びやかで、まだ若いのに達者だなぁ~と思っていたら、

超話題の映画「告白」で重要な生徒を演じてるじゃあないですか。

中島哲也も認めた才能です。やっぱりか!


そして楽しみにしてたメイリン役の猪狩敦子さんは大好きな女優さん。

お得意のアクションが観られなくってちょっと残念でした…

そして伊勢さんのアバーラインは相変わらずの自由っぷりで、

いつまでもそのままの君でいて…!と思いました。


第3弾はあるのでしょうか?

楽しみですね。