2010年6月16日水曜日











観劇No.6

Z団『リバース・ヒストリカ』 2010.5.15.sat 六行会ホール

★★★★☆













〈あらすじなどはこちら〉 http://bam-boo.biz/z-dan/



初めましてのZ団さん。

この日はもうてんてこ舞いで

開演2分前に会場へ滑り込みました。


東京の道をダッシュするのって、けっこう恥ずかしいですよね…



総評は、面白かった!(簡単!)

すごくちゃんとしてる!(失礼!)

帰ってHPを見て驚いたのですが、

主宰の方は、俳優の北村一輝さんのお兄さんなんですって。

兄弟揃って才能豊かなんですね。



京都歴史探訪ツアーに参加したツアー客たちの身体に

戦国武将たちが憑依し、現代で再び天下取りが始まっちゃう!?

っていうストーリーでした。

織田信長、明智光秀、豊臣秀吉、柴田勝家、森蘭丸などなど、

豪華な戦国オールスターズが平成にカムバック。

嗚呼、素敵〜!炎の蜃気楼みたいですね!(腐)



本能寺の変の新解釈をテーマにした舞台は、

シアタークリエで観た「ガーネットオペラ」と同じですが、

こちらはよりコメディ色が強い感じ。

しかも「ガーネットオペラ」に出演されてた中村誠治郎さんが

こちらにも出演なさっているという偶然。

しかもしかも、こちらでも明智光秀がかわいそうなくらい悩んでる。

不憫だなぁ光秀よ…



自称霊媒師が降霊する依り代(憑かれる人)を間違い続け、

戦国武将が次々とツアー客の身体に取り憑くのですが、

織田信長がキレイな女性に憑いてしまったりして、

ギャップが面白かったです。


中でも秀逸なのが、美男子として有名な森蘭丸が、

田口治さん演じるおっさん顔の大学生(劇中でそう言ってるんで…)に

降りちゃうとこ。

鏡を見て「化け物ではないかぁ!」と驚愕するシーンでは

爆笑してしまいました。

やりすぎなかっこよさが非常に面白かった(笑)



「ガーネットオペラ」で信長を演じていた中村誠治郎さんは、

今回は豊臣秀吉に憑依された大工役でしたが、

たぶん、日本一かっこいいニッカポッカ姿だと思う…! (〃゚∇゚〃)

舞台で何度か拝見しておりますが、

出るだけで空気を変える俳優さんです。

惚れるわ〜…



セットや演出込みでとっても気に入ったので、

次回公演も是非観てみたいなーと思います!





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観劇No.7

劇団、本谷有希子 『甘え』 2010.5.22.sat 青山円形劇場

★★★★☆















〈あらすじなどはこちら〉 http://www.motoyayukiko.com/



「夜這い」と「価値観」のお話。

これは不思議でした。

考える要素がたくさんあって、

観た直後はなにが言いたいのか全然わからず、

もやついたまま帰路についたのですが、

だんだん「やっぱり面白かったよアレ!」と思えてきて、

今ではもう一度観たい。(もう遅いけど…)

スルメのような作品です。



この劇団は本谷有希子さんが主宰する、

専属俳優を持たないプロデュースユニット。

本谷さんは女優、声優、小説家と活動の幅が広く、

佐藤江梨子主演映画「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」の

作者としても有名です。


わたしは本谷さんの舞台が大好きで、

以前他部署の仕事でうちの会社にいらっしゃった本谷さんを

無言で外まで追いかけたくらいです。

(建物の影から拝むだけで精一杯でした…)


妙に共感できて、見終わった後の余韻がイイんです。

エグく、グロく、痛々しく、

登場人物はたいがい歪んでて性格悪い。

でも共感できるのは、たぶんキャラクターが、

誰にでもある質を極端に膨張させて

出来上がっているからじゃないかと思います。


膨張させる質はたいがい嫌な部分で、

誰しも持っていたり知っていたりするけど認めたくない部分。

(自己顕示欲や性欲、支配欲などなど)

それを包み隠すことなく膨張させ、正直に描いています。

だから観客は、隠しておきたい自分の嫌な部分と向き合うことになります。



さてタイトルは「甘え」、テーマは「夜這い」、主演は小池栄子。

この前情報だけ見ると下世話な想像をしてしまいますが、

想像とは違ったものの、やはり不道徳なお話でした。



母に逃げられた父と二人で暮らしている順ちゃん(小池栄子)。

寂しさから娘に甘え、

家に縛りつける父親からの解放を望む順ちゃんは、

自分こそ父に甘えられる状況に甘えていると気付きショックを受ける。

ある日順ちゃんは、日本古来の「夜這い」の風習にならい、

自分を禊くことを決意する。



という話なんですが、

小池栄子が父親を殺しかけるショッキングなシーンで幕が開きました。

このことが、後々順ちゃんを驚きの行動へと走らせます。



めっちゃネタバレしますけど、いいですか?(いまさら…)



順ちゃんは貞操観念のゆるい友人に

「脳みそはおしゃれだけど、価値観がダサイ」と言われます。

(これすっごい面白い!!)

自分の価値観をぶっ壊すためには、身体から変えないといかん!

と思った順ちゃんは、自分を「夜這い」させるんですね。

しかも複数人に。

このラストシーン「私よ、禊がれろ!」と叫ぶ小池栄子には

鳥肌がたちました。

父を殺しかけた経験を正当化することに失敗した順ちゃんは、

とにかく価値観をぶっ壊さないと生きていけないんですね。

なにもそこまで!と思いましたが…


登場人物もストーリーもとにかくぶっ飛んでて、

非凡な自分は感性だけで観た感じがしました。

とっても女性的な見方ですよね。


いや〜複雑だった〜!


次回はパルコ劇場だそうでおめでとうございます!

絶対観に行きます!



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